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季節の移ろい
がさ・・その時、何か物音がした。2人が手をぎゅっと握り合い、その物音の場所を見る。
「何・・?」
礼二が、その音がする先を見ると、それは白蛇だった。
「わあ・・白蛇だ・・」
慌てて2人は、神社の方に走った。
はあはあ・・息を弾ませて神社の境内に出た2人。
「びっくりしたなあ・・あんな白蛇を見たの初めてだよ」
礼二が言った。
「触っちゃいけないんだよ、守り神だから」
清治が答える。その知識が清治にあった訳では無い。無意識化で出た言葉であるが、その通りなのだ。清治はこのように、まるで前世からの知識があるように、言葉が無意識に出る事がある。
「う・・うん」
礼二はまだ驚いたままで、互いに握り合った手に力が入ったままだ。




