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志村恭介編 古城
まるでやくざのように怒鳴る脇坂に、品川が驚いているが、志村は平然とした顔で、
「渡せません」
益々脇坂は怒声を発した。
「何を!修作から受け取ったのじゃろうが!くそが、やっぱりあのガキか、わしの所から*紅水晶を盗りおったのは!」
真っ赤の顔になって怒鳴る脇坂に対し、志村は、
「冗談じゃない。泥棒は博士の方だ。*禁断の紅水晶と言うのはこの村の守り神だったのに」
激怒していた脇坂のトーンが、急に落ちた。
「そうか・・。修作から、それも聞いたのか」
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