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季節の移ろい
しばらくすると、遊びに飽きた子供達が、公園から二人の側に戻って来た。子供達と一緒に浦部が帰って行った。家に戻った政春は、食卓の中で浦部さんにとんでも無い計画を話していたんだよなあと、弓子と清治と笑いあうのだった。
家に射す明るい日差し共に、清治にもこうして笑顔が戻った。この幸せを大事にして行かねばと政春は強く思った。
次第に成長して行く子鳩達、そして清治の小学校生活が始まっていた。小さな町の生徒数100人程の学校ではあったが、山郷で暮らしていた清治にとっては、周りの光景や、同級生全てが新鮮で、戸惑いもあった。
「せいちゃん」
一年生のクラスは、男子児童5名、女子児童3名の8名だった。清治は、近所に住む田中礼二と仲良く学校に通っていた。おとなしく口数も少ない清治だが、礼二とはすぐ打ち解けて仲良くしていた。




