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志村恭介編 古城
「なかなか鋭い意見だね。何故そう思う?」
志村は品川の顔を見た。しかし、品川は表情を崩さず淡々として言った。
「だって先生。こんな冬になれば、厳しい自然の条件の悪い所へ住むには、それ相応の薬草の知識なり、その自然に耐えて行けるだけの生活力が要ります。その上で、強力なリーダーシップの取れる長も必要です。それで、何故わざわざこの厳しい自然の地を選び、住むのかと言う事です」
然り!志村が頷いた。自分の考えと一致している事に他ならないからだ。
「そうだ。その辺りの痕跡を探る事が今回の目的なんだ」
「先生!俺、全力を尽くしますからね。よーし!ははは」




