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志村恭介編 古城
「先生、本当に書物のような制度があったのでしょうか?」
コーヒーを飲みながら品川が聞いた。
「さあ・・まだ人々が諸々の豪族に分かれて争っていたそれ以前の時代だからね・・。それも書物は、それから何百年も経た平安初期に書かれたものだ。どこまで信憑性があるのかはそれは分からない。しかし、1つ1つの過去世を紐解くのが我々の仕事だと思っている。それは一般には理解されない事も多いけれど、ロマンでもあるよね。数年前*敦盛と言う地名の所で、大学の先輩にあたる俵さんと話をした時に、まさかこの書面と繋がって来るとは思わなかったけど、その*お子さんには何か特別な能力があるようなんだ。その時四国に繋がるって話をしていたからね」
「同感です。しかし、もしこれが現実であれば、先生が言われて来た邪馬台国と、マヤ文明の驚くべき共通点が見つかるでしょうね」
「ふ・・それは脈路の無い私の空想ゲームだよ」
*清治が志村に大きな干渉をしている証左




