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未知の血統
「・・・そんな改良を・・?ほんの少し今のお話で納得出来たような気がします。自分にとって、浦部さんのお話は、確かに眼から鱗が落ちるようなものですが、大きな問題とは・・?」
「君は1を聞けば、10を悟るような鋭い人物だ。その血統を中心として従来通りの訓練を行ったと同時に、旧血統には新放鳩地への準備として訓練も行って来た。君も理解出来ると思うが、この横風は、次第に遠く距離が伸びて行く競翔スタイルの今の現実には相当厳しいハンディとなるからね」
「・・つまり、中距離までしか、その血統は通用しないと?」
「そうなんだ。両刃の剣でね。500キロレース以降は格段に新コースが生きて来る。その為の新放鳩地変更である」
「簡単じゃないですか、それなら。短距離鳩と長距離鳩を分ければ良い」
「はは・・それも一般的だなあ・・」
浦部はにこりとした。




