243/9342
未知の血統
そんな日々の中、浦部の家に道明寺が訪問した。この日は鼻を膨らませて自信たっぷりの明るい表情であった。
「浦部さん、前にお話させて貰った時の答えを見つけましたよ」
強豪の名を欲しいままにする、自信家で理論家でもある若い競翔家。しかし、その根底にある、人知れぬ努力を知らない浦部では無かった。そして彼と向かい合った。
「・・・と言う訳でですね。河原連合会独自の400キロレースは、更にその後続く500キロ、600キロ、700キロ、800キロ、900キロ、1000 キロ、1100キロ、1200キロ、1300キロの中から長距離レースにとって非常に重要な位置となるのです。それまでの開催されていた400キロレースと比べると、誰もが、何でそんな放鳩地を・・と思うでしょうが、つまりこの台形こそ赤坂峠の強風に影響されない、そして又迂回距離はあるものの、飛翔速度が落ちないコースであると言う事です」




