未知の血統
政春と弓子が、亀吉の命日には必ず訪れていた墓であった。そこにも、花を添えると3人は深く手を合わせた。
「清治・・しばらく毎週位この*敦盛に来るつもりなんだが、父さんと一緒に来るか?」
政春が言うと、清治はこくんと頷く。
「父さんな、昔・・考古学をかじっていたんだが、民族資料の研究も自分で少し続けて来たんだ。前に、脇坂博士と会った時、ふと思ったんだ。この敦盛にはきっと何かが隠されているって。偶然にも、考古学者と、動物学者が同じ疑問に突き当たっている。そんな不思議な事がこの地にある。それに、浦部さんと言う人間的にもまた競翔家としても尊敬出来る人物と知り合った。競翔を清治と一緒にやるようになって、やはり突き当たったのは、この敦盛と言う場所なんだ。何故か、鳩はここを避けて通るんだ。電磁波とか磁場とかが影響していると言う話だが、父さんは敢えてこの地について少し研究したい。その為に、*清竜号を使いたい・・いいか?清治」
*清治が、分身清竜号を使い、亀吉に託された清治を抱えた来たと言う実母の思念を吸収して行くのだ。全ては、ここから回帰と言う清治にとって長い旅の始まりとなる。




