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季節の移ろい
浦部とは一回りも年上の政春だが、こんなに童心に戻っているような自分に気づき少し頭を掻いた。それは、単に清治と共に居よう、父親として過ごしたいと言う思いである部分が大きい、清治が、すくすくとこの世界に突如として登場した事から全てが始まって行く。その清治にとって俵夫妻が、信頼と愛情に満ち溢れていた事が、彼の運命を大きく変えて行く事になるからだ。
「ははは。でも、嬉しいなあ。俵さんが、そんなに熱心になってくれているのなら、楽しみですよ、これから」
「でね・・浦部さん。その時にでも、ご相談したいと思ってたんですが、私も種鳩を導入しようかと思っているんです」
「あ・・それなら私の所で」
浦部がそう言うと、
「いえ。浦部さんから頂いた鳩は、勿論競翔に参加させたいと思いますが、私も競翔鳩を飼うからには、自分なりに色々やって見たいと思うんです。全く素人の私ですが、無謀な事を言っているでしょうか?」




