219/9342
未知の血統
「・・ん・・え・・この鳩はずっしりとして肩幅があって・・副翼・・これは見た事の無いような幅で・・・え・・主翼ってこんなに長いんですか・・へえ・・これはとても変わった鳩だ」
「その鳩が風神系だ。文字通り、風を切る・・風に負けない鳩なんだ」
「へえ・・この血統で、赤坂峠克服を?」
道明寺が言うと、浦部は軽く笑った。
「君が先程言ったじゃないか。どんなに素晴らしい鳩であろうと、それ程能力に差は無いとね。あるとしたら、それは、競翔界に於いて、古今東西2度と出現する事も無いだろう、*紫竜号唯一羽のみ。不可能を可能に出来るとすれば・・ね」
道明寺は禅問答の挙句、結局この日は帰って行った。
「少しいじわるでしたかね、俵さん」
浦部が言うと、
*驚異の怪物競翔鳩・・ここがキーワード




