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未知の血統
「それは充分に知っています。ですから、その赤坂峠をどう克服するかなんですよ、道明寺君」
「克服・・って・・浦部さんのデータ通りだとして、風速20メートル近いその風を克服出来る訳が無いですよ。いずれにしても、赤坂峠を選ぶか、敦盛を選ぶかでしょう?その敦盛が磁場か、電磁場の発生する場所なら、どうしようも無いじゃないですか」
「そこ・・なんです。なら、その風に強い血統の鳩を・と言う発想は出来ませんか?」
「そんな・・多少風に強い血統の鳩が居たとして、自然の猛威の前には、たかが鳩です。その小さい体力的なものにどれだけの違いがあるでしょう」
そこまで黙ってやりとりを聞いていた浦部だったが、
「うん・・その通りだよ、道明寺君。なら、その風をもっともっと研究する必要があるだろう」




