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第一章
「夢に見たんだよ。僕がこの2羽を貰う夢」
「まあ、そうなの」
俵夫妻は、顔を見合わせた。幼い頃、幾度がそう言う夢を見た事がるような気がした2人だった。幼い子供が見る感受性のような感性であろうか・・それをデジャブ―と言う。そう2人は思った。
それから、あっと言う間に日々が過ぎて行く。
春・息吹・四季の日本の中で、一番生命を感じる季節である。
若葉がすくすくと育つように、人も躍動の季節を迎える。花咲き、心も踊る。南方よりツバメが戻って来た。淡いピンク色の桜が咲き、俵家には、大きな転機が訪れようとしていた。




