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未知の血統
「凄い・・!」
政春が空を見上げた。それは大きな一群となって高く舞い上がり、旋回を始めていた。
「この地区は午後1時を回ると、海からの風が吹きます。その風を鳩達は待っているようで、この時間になると一斉に飛び出すんですよ。それも私の鳩舎の鳩達は、風に向かってまるで挑戦しているかのように」
「・・道理・・。風切り羽と、副翼・・筋肉の強さを・・。まさしくそれこそ風神系だ、ふさわしいネーミングの血統だ・・」
政春と浦部が言った。
「浦部さん、俵さん。香月博士はこう言われて帰られました。この血統を試したい地区がある・・。それはまさしく浦部さん達の連合会のある地区です。私も、香月暁号系統と言う素晴らしい血統の鳩達と是非、夢を見たいです」




