190/9342
未知の血統
山川が驚いた。
「はい・・・山川さんには香月博士もその事を言っていなかったんですね。なら、偶然では無く、私が風神系に興味を持ったのは大きな意味があった訳です、これは必然のような気もします」
「必然・・?」
山川が聞く。政春も浦部の顔を見る。
「何故・・風神系に興味を示したか、そしてその必然とは・・花川雨竜号こそ、紫竜号と同じ血を引く鳩だからですよ」
「えっ!紫竜号・・」
政春が驚いた。山川が頷く、そして、
「私も静雄から送られて来たこの鳩の血統書を見て驚きました。そして、その非凡な成績を。更に驚くのは、花川雨竜号の作使翔者は、河原連合会の花川達治さんの姪御さんであり、今世界的なピアニストの花川美里さんなんですよね。静雄君が旦那さんです。そんな話を聞くにつれ、これは、電話を下さったのは偶然では無いと思いました」
「えっ!」




