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第一章
その夜の俵家の食卓での会話。
「これで、神社から拾って来た鳩と3羽になったな。浦部さんに聞いたんだが、子取り用の種鳩と言うのも必要なようだ。そちらも進呈すると言われたんだけど、辞退したよ。そこまで甘える訳には行かないし、自分も少し競翔鳩の事をもっと勉強しようと思っている」
政春が子供のような顔をして言う政春を見ながら、笑いながら答えた。
「あらあら・・まるで、貴方の方が夢中のようね」
「はは。今まで、特に趣味と言う趣味も無かったからなあ。それに清治が喜ぶ事なら、自分も好きになれそうだ」
「清ちゃん、どうしてこの2羽にしたの?」
弓子がテレビ漫画を見ている清治に尋ねた。