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未知の血統
「はは・・浦部さんも視点がまるで違いますね・・そうです。私の鳩舎の鳩達は、今の時間は飛翔しません。実はあるものを待っているのです」
「あるものとは・・?」
「もうすぐ・・ですから、もうしばらくしたら分ります。・・それで、浦部さんはこの私の鳩を見て率直にどう思われますか?」
山川が言うと、その前に政春が言う。
「あの・・私などが横から、差し出がましい事でありますし、浦部さんが、今日ここへ私を連れて来て下さったのは、何か特別な意味もあっての事でしょう。浦部さん・・違いますか?」
少し言い辛そうにしていた浦部を察して、政春がそう言うと、意を決したように彼が、
「あ・・実は・・。俵さんの所で香月暁号系統が使翔されているのを山川さん、ご存知ですか?」
「え・・!香月暁号系統ですって!は・・初めてですよ。そんな話は・ほ、本当ですか!」




