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未知の血統
「山川鳩舎には、現在200羽程種鳩、選手鳩が居るそうですが、思っていたよりもかなり立派ですね」
清治が2人を待っていた。
「遅いよ、待っているよ、おじさんが」
清治が2人を手招きした側で、小柄で、誠実そうな細い眼のやや太り気味の50過ぎの人物が立っていた。
「山川さんですね?はじめまして。浦部です。こちらは同じ倶楽部の俵さん、先にお邪魔している子は、俵さんのお子さんの清治君です」
「よく遠い所をおいで下さいました。浦部さんとは何度かお話をさせて頂いておりますが、以前より、甥の静雄よりお名前は存じていました」




