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第一章
「少し驚きましたが、そう言う感性が清治君にはあるのでしょうね。香月博士以来の驚きです」
「ほう・・香月博士も又そう言う感受性を?」
「あの方は、天才的な洞察力の持ち主でした。その分析力や、判断力、明晰な頭脳からコンピュータの様に見抜く能力がありましたが、清治君にも、そう言う能力があるのかも知れないですね」
「はあ・・しかし・・」
政春には、清治がそんな天分を有しているとは思えなかったが、清治が選んだ2羽は、やはり、浦部鳩舎の主流鳩の子であった事だ。嬉しそうに鳩を貰って帰る俵親子に、浦部が今度は次週に俵家へお邪魔しますと手を振った。




