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第一章
この事に非常に浦部が大層驚いた様子だった。政春が鳩舎の外から声を掛けた。
「あの・・浦部さん・・?」
「あ・・ああ、済みません。子鳩はもう巣立ちしていて、両親鳩からは離しているし、まさか清治君が見てもいない、この子鳩の親鳩を言い当てた事に少し驚きました・・」
まさしく、清治は正確に2羽の親鳩を言い当てたのだ。それも5羽の中から同腹の兄弟を・・。
「・・清治には、幼い子特有の感受性と言うか、そう言う能力があるのだろうか・・」
政春も唸った。が、清治は既に自分の能力の一端を生まれながらに保持し、発揮しているのであった。




