169/9342
羽ばたけ若駒!
「有難う御座います。清治がこんなに喜んでいますし、勿論大事に飼いますので」
「鳩とは又違う楽しみがありますよ、何と言っても、犬は清治君の弟のようなものだ、なあ。ふふふ」
花川氏がにこにことしている。あれから鳩舎も工夫をして、高価だが空気清浄機まで備えてある花川鳩舎は、立派な創りの大鳩舎だった。
「この犬、シロって名前つけたんだ」
「そうか」
政春は頷いた。
「夢の良い事、シロの事だったんだ」
「ああ、そうなのか・・でも鳩の事じゃなくて?」
「ううん。それもあるけど」
「何だ、清治の夢は欲張りなんだなあ」




