163/9342
羽ばたけ若駒!
実は、こんな程度の能力等、清治はまだ覚醒すらしていない時期の話。ただ、今は純粋に鳩を飼う少年の姿なのであった。
次の日・・一斉に鳩は100キロ先の放鳩地から飛び立ち、8時丁度に清治が一番に戻って来ると言った、浦部の血統の鳩が帰舎。平凡なタイムではあったが、文部杯5名の中では、2番目の記録だった。初競翔2位の成績を収め、清治の競翔人生が幕を開けた。
「よう!やったな、清治!」
もう、すぐに人気者になった小さな競翔家、清治は200キロレースでも同じ鳩が5位。一羽も脱落させる事無く、300キロレースにも堂々9位入賞。同じ鳩が3連続入賞をした。そこで、浦部の助言通り、この鳩と同腹の鳩2羽は300キロレースでストックされて、いよいよ、一羽も脱落していない、香月暁号系10羽参加の400キロレースが始まる。予想天候は曇り。これからは河原連合会の若鳩達の登竜門と言われる、極端に記録鳩が低下する競翔へ進む訳だ。




