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羽ばたけ若駒!
花川は、驚いた様子で、浦部から鳩を受け取った。
「そ・・んな・・」
彼の顔が、見る見る蒼白になった。
「ほ、本当だ。し・・しかし、この子は鳩を触ってもいなかった。何で・・?」
周囲が清治を見る、清治は恥ずかしそうに浦部の後に隠れた。そこへ、政春が近寄って来た。
「どうしました?」
「俵さん・・一体この子は何者なんです・・競翔を初めて間も無く、こんな小さい子が、こんな大羽数の中の病気の鳩一羽を触る事もなく見分けるなんて」
花川が言うと、周りもざわざわとした。浦部が言う。




