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第一章
清治の様子に、微笑みながら浦部が言うと、清治の更に目が輝いていた。政春も嬉しそうに鳩小屋の外からその様子を眺めている。
「ここに、5羽の子鳩が居る。その中から好きな鳩2羽を選びなさい」
浦部が言うと、清治がすぐ、なんの躊躇も無く2羽の鳩を指差した。
「ほう・・」
浦部がそう言いながら、2羽の子鳩を捕まえた。
「ピー、ピー」
捕まえられた子鳩が浦部の手の中で鳴く。
「良い鳩を選んだね。清治君。どうして、躊躇わずに2羽を希望したのかな?」
浦部が質問した。
「この鳩のお父さんは、こっちの鳩で、お母さんは、あの鳩だから」
「えっ・・!」




