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羽ばたけ若駒!
ぱちぱちと手を叩くにこやかな顔、顔。政春も清治も少し興奮していた。
ほぼ、参加鳩の準備が終わった後で、放鳩車に鳩を移す段階になって、清治がある者の横に行く。その者は連合会の花川と言うベテラン競翔家であった。
「おじちゃん・・その鳩、苦しいって言っているよ・・」
指差した清治の言葉に、2、3人が花川の横に居たが、注視した。
「え・・?僕、何だって?」
清治は一羽の鳩を指差した。呆気に取られた格好で、周囲がぽかんとしている。競翔歴30年に迫るベテラン競翔家の花川は、河原連合会の前会長でもあり、中心人物でもある。
浦部がそこに来た。政春は少し離れた所で会員達と談笑をしている。
「どうしたの?」




