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羽ばたけ若駒!
「あれ・・何であっちの方に飛んで行くんだろうなあ・・」
政春が言う。清治は、全く違う空を眺めていた。
「あれ!」
清治が指差すと、その方向から先程視界から消えた鳩達が姿を現し、そしてそこから鳩舎方向へ消えて行った。
「清治・・あっちの方向から鳩が迂回して来て現れるのが分かっていたのかい?」
清治が首を横に振った。
単なる偶然か・・政春は、再び清治を乗せて少し遠回りして、ドライブを楽しみながら家に戻った。鳩達は既に鳩舎に戻っており、弓子も買い物に出かけているのか、不在だった。そこへ電話が掛かって来た。




