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羽ばたけ若駒!
「・・そこまで言って貰えれば、もう感無量です。改めて、私のような素人に託して下さった香月博士のご英断に深く感謝申しあげますと共に、競翔の重みも感じます」
「香月君の話では、沖縄の鳩舎にも分譲するとか、四国や、中国地方にも・・と聞いています」
「血統書を見る限り、暁号の殆ど孫にあたりますね、凄いなあ・・」
政春が明るい表情で言うと、浦部は微笑みながら、
「俵さん、もうすぐですね、清治君のデビューは」
「はい!」
政春は、清治を河原連合会に登録して、これから競翔に参加する。これらの鳩群は秋に何とか間に合いそうだ。清治は嬉しそうに鳩を見入っていた。あれから、夢の話は清治の口からは出ていないが、清治にとっての白蛇の幸運とは、この鳩群の事であろう、政春はそう思った。




