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季節の移ろい
「・・・訳は言えん・・が、*紅水晶は存在する、確かに。地球上で最も硬度の高いダイアモンドより何十倍、いや、何百倍も硬い物質なんじゃ」
「何と・・」
俵が言葉を失った。
「のう・・俵、お前もわしの門下生として、若い頃日本中を旅した男。わしが、どんな研究をしてきたか知って居るだろう」
「はい・・しかし、考古学にロマンはあっても、現実には裏切られっぱなし。ロマンで飯は食えません。同じ考古学を学んでいた弓子との生活を選んだ私です。先生・・何をそう急がれるのでしょうか」




