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季節の移ろい
「・・・実子では無かったか・・」
「今年、この家に来たんです」
「そうか・・」
脇坂は小さい声で言った。
「ところでな・・あの子を少し借りたいのだが・・」
「先生!」
政春は少し、強い口調で、そう言った。脇坂は、清治の特殊能力について疑いを持たなかった。これは清治自身が脇坂を動かしているのか、或いはキーワードである脇坂が清治自身の能力を刺激し始めたのか・そこは分からない。
「分かって居る。そう恐い顔をするな。ただ、どうしても知りたい事が1つある」
「清治は普通の子です。私達の子です」
「お前の気持ちは分かっていると言うとる」
「なら、何故?三皇神社からまだ何か出土すると言われるのですか?」
「宮司とは昨日話をした。自分の残り少ない人生、宝玉を探したいと」
「しかし、無茶が過ぎますよ。先生が動けば、マスコミがすぐ嗅ぎ付ける。大騒ぎになるでしょう」




