127/9342
季節の移ろい
「先生・・何で、こんな無茶を」
「おう・・俵君じゃないか、お前、どうしてここへ?」
「こっちが聞きたいですよ、誰の許可を得てここを掘っているんですか?」
「許可?・・ああ、T大学へそれは聞けばええわい」
脇坂は意に全くかえさず、又作業を続けた。俵は、少し眉間に皺を寄せながら
「T大学が、そんな許可出す訳がないでしょう。ここは宮内庁の管轄なのに」
鸚鵡返しに言葉が政春に返って来る。
「おかしな事を言うもんだ、俵。なら、なんで、ここの神主が勝手に掘った。宮内庁のそれは許可を得たのか?」
「・・そ・・それは」




