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季節の移ろい
「俺も同感だ。でも、何故?浦ちゃんもって言ってくれないのかな?香月君は」
浦部が言うと、
「ははは。それはベテラン競翔家の浦ちゃんに失礼でしょう。それに、今日見た限り、以前の南部系を凌駕すればこそ、この鳩群がそれを下回る出来では無いですよ。流石浦ちゃんです。松風系に眼をつけられるとは視点が違います」
「ふふふ・・少し君にいじわるを言って見たが、ファイトが沸いて来たね。本音を言えば、同じ連合会で、暁号系と同じ競翔が出来るなんて、実は嬉しいんだよ」
浦部はにこりとした。
香月が、2週間後に政春の所へ暁号系の子鳩10羽を送ってくると言う約束をして、次の訪問地に向かって行った。恐るべき天才競翔家・・・又動物学者としての天賦の才をまざまざと見せつけられた浦部にも、新たに、競翔家としての闘志がふつふつと湧いてくるように感じるのだった。




