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季節の移ろい
「確かに鳩レースに絶対は有り得ないし、どんな危険な状況も有り得るが、*紫竜号は、GCHレースで取った最短コースを選んだ為に、それは本能でもあるけど、やはり前年の危険を察知していた山に突き当たったんだよ。しかし、その怖さを知っている紫竜号は当然迂回をする事になる。今、浦ちゃんが言ったように、何故か南側に磁力が乱れ、北側には影響が無いのか?それを探る為に各方面から調査もした。浦ちゃんが、自分の競翔家としての経験から敦盛の地形的な事を察知したように、何でその鳩の帰還コースの妨げになるのか、方向を惑わすのか・・それが*磁力線だと思う。紫竜号はそこを迂回した為に、大きく距離をロスしてしまった訳だ。しかし、所詮は鳩・・本能が命じるまま、何度経験していてもその最短コースを飛ぶ事だろう、それは、紫竜号の母鳩であるかつてのネバー号がそうであったように」
「言葉も無い・・そんな事まで考えて自分は競翔した事も無いよ」




