118/9342
季節の移ろい
香月がそう言いながら、数羽の鳩を触診した。
「良いね。流石に浦ちゃんだ。この管理技術は完璧だよ」
「君に褒められると、自分も自信がつくよ」
居間に戻って、香月が来訪の目的を告げた。
「・・と言う訳でね。3000キロ、4000キロを戻って来る力のある鳩が、何故日本の地で戻って来れないのか、それの研究を深く掘り下げてする為に、暁号系を中心とした各地での競翔テストをしたいんだ。当に、この地はうってつけ。浦ちゃん程の練り上げて来た長距離系が、何で、100キロの壁にぶち当たったのかも、非常に関係ある話だから」
「うん・・ところで、聞いて良いかい?香月君」




