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季節の移ろい
「今は私も、小さな印刷会社の親父だ。それ以上は聞かない事にしよう」
政春はそう言った。志村は、話し合えば合うほど不思議な魅力を感じる青年だなあ・・浦部はそう思った。
結局、その日は、地形の探索をしただけで、幾つかの資料を抱えて、志村は帰って行った。ただ浦部にとっては、敦盛の地形がこれから改良して行こうとしている競翔鳩の交配に、大きな影響があるように感じられた・・。
そうして、時間は経って行く。
子鳩はすくすくと成長をして、産毛が抜け落ちる頃、一本の電話が入った。浦部からだった。




