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季節の移ろい
浦部はその2人の会話を、ちんぷんかんぷんで聞いていた。
「恐らく・・姫や、スウ・・と呼ばれる階級なのでは」
「それは時代認識が違うんじゃないのか?大和朝廷は、その一文字の階級を廃した筈。縄文時代から弥生時代の話になるよ」
「欽明天皇の欽明記から見ますと、その中で、深草里と言う地名が出て来ます。それを敦盛に当てはめて考えている訳です」
「・・秦大津父の例を言っているのか?」
「はい」
「成る程・・先生(*脇坂)、*志村君は同じ推理に突き当たった訳だ」
「でも、流石です、俵さん。脇坂博士の一番弟子と言われていた人です。その名前が出るまで書物を読み漁った自分ですのに」




