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季節の移ろい
「ははあ・・君はかなりの所まで、そっちの研究を進めているね?」
「動物学者としての域ですよ、磯川さん。でも、どうして、何時の間にそんな夢想家になったのかな?心とは違うって顔をされていますが?」
「はははは。少し、脇坂博士の登場に驚いたんで、話をそっちに持って行っただけだ。こうして、君と再び話を出来る喜びに今夜は感謝したい」
「同感です」
奇妙な会話だった。非凡の2人が何を思ったか、感じていたかは知る由も無い。しかし、政春にとっては、大きな一夜であった事は間違い無い。その全てを清治が動かしているのだとしたら、どうであろう・・だが、急速に時は歯車の回転を開始していた・・。




