駄菓子屋の娘と八百屋の息子
「とりっく おわ とぅり~」
「あんた、この時期になるとずっ~と言っているわね…」
「そういう君は毎年、無視してるよね~」
「当たり前じゃない、なんで私があ・ん・たに!!お菓子をあげなきゃいけないわけ??」
「ハロウィンだから??」
「絶対にやらない…。」
「まぁまぁ、一回でもいいから『とりっく おわ とぅり~』って言ってみて~」
「なんで、言わなきゃいけないのよ?」
「少しは行事に参加しようよ~」
「気分だけでも参加しているから結構よ。」
「だめ!今年こそは言ってもらう!」
「あんたも毎年飽きないわね~、そういえば、仕事行かなくてもいいの??」
「去年もそう言って逃げられたから、今年は休みをとった!」
「あんた、アホ??」
「ねっ、言ってみて??」
「はぁ~、『Trick or treat』これでいいの??」
「はい、お菓子♪」
「飴玉一個もらうよりあんたん家の野菜のほうがいいわ…」
「とりあえず、あけてあけて」
『ガサガサ』
「飴玉じゃ…ない…??」
「俺と結婚してください。」
飴玉の入っている場所にはキラキラ光る指輪が1つ入っていた。
++++おまけ++++
「って、言うわけでなんだかわかんないうちに結婚したのよね~」
「ママ…そんなこといったらパパが泣くよ…」
「泣かしとけばいいのよ、あんなやつは!」
「そんなこと言って本当は会いたいくせに~」
「うるさーい!だいたい、残業ってなによ!常日頃、ちゃんと働いていないからこんなことになるのよ!」
「だって、パパ、どうするの??」
「今度からちゃんと仕事するから許して~」
「か、帰ってきてたの!?」
「うん、さきほど…」
「…ちゃんと好きだから…」
「うん、わかっているよ」
「・・・勝手にやってて」