表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

日記のはじまり

最初のページの日付はかすれていて、年の数字はもう判別できなかった。


けれど、月と日だけはどうにか読み取れる。


五月二十日。日曜日。 午前6時ごろに起きた。天気は曇り。


今日から、この日記をつけてみることにする。 初めてだから、うまく書けないかもしれない。文章 も固くなったり、おかしくなったりすると思う。


でも私の日記なんだから、私なりに書けばいい。


いつも通り、壁に残された古い警報システムが、今はただの目覚 まし代わりに鈍い鐘の音を響かせている。

この建物は、もともと実験施設に付属していた、シェターだと聞いている。


分厚い扉や監視用の窓はその名残で、無骨さの中に どこか不気味な整然さがある


起きたあとには共同体の浴場に行った。


壁のタイトルの一部は剥がれていたけれど、浴場の水はたっぷりと使われていた。


湯気が立ちこめ、金属の壁が白く霞んで見える。蛍光灯の光は少しちらつき、湯面を鈍く反射させてい た。


浴場は男女で分けられており、壁と通路で仕切られ ている。豪華な造りではなく、コンクリートの床に大きな板の仕切りがあるだけだったけれど、それでも規律は守られていた。


湯船にはすでに何人かが入っていて、笑い声や世間 話が響いていた。子どもたちの声も混じり、天井に 反射して柔らかく広がっていく。


人口は二百五十人ほどの共同体だけれど、こうして誰 かと顔を合わせると、まだ街が生きている気がす る。


今夜は、よく眠れそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ