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パワードスーツ勇者 ~ゴーレム技師が最弱女勇者の装備を魔改造してみた~  作者: 小河白明夫


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第7話 完成した鎧

 リシェルの姿をかたどった人形(下着のみ着用)に、ゼノは錬金術で形状を変化さえた鋼をまとわせていき、それを鎧の形へと形成していく。

 このリシェルの体と寸分たがわぬサイズの人形を土台として鎧を作っていくことで、完璧にリシェルの体形に合わせた鎧を作り出すことが出来るというわけだ。


「……よし、ひとまず鎧はこれで完成だ」


 リシェルの体に合わせた鎧が完成。

 そしてその完成した鎧に、今度は魔法金属であるミスリルを使って、この鎧を魔導具化する加工を施していく。


 その方法はというと、魔力を通しやすい魔法金属で鎧に術式を刻むことで、この鎧に様々な魔法効果を付与していく…というものである。


 この鎧に付与された一番のメインとなる効果は、鎧が装備者の筋肉の動きを感知し、装備者が実際に行おうとしている体の動きよりも、より速く力強くこの鎧が動くことで、装備者のパワーとスピードを大幅に強化するというものである。


「ふははっ、ふははははははっ!」


 ゼノは上機嫌に不敵な笑い声をあげながらも、その卓越した錬金術できわめて繊細に術式を鎧へと刻んでいき、そしてついにこの鎧は完成のときを迎える。


「出来上がったぞ、リシェル! これがお前の装備だ!」


 それは、リシェルの小柄で細身な体形に合わせて作られた全身鎧。

 そして普通は、こんな小柄な人間が全身鎧を着ることなどないため、一見するとかなり奇妙な代物である。


「これ、着るの? 重そう」


 リシェルは非力な少女であるため、こんな全身鎧などを着させられても、重くて身動きが取れなくなると思ったのであろう。

 だがその心配はない。


「この鎧は全ての可動部分があの籠手と同じだ。鎧自らが動くことで、装備者の体の動きを補助する。なので、この鎧を着た者が鎧の重さを感じることは一切ない」

「ほんと?」

「ああ、もちろんだとも」


 ゼノに自信満々にそう言われて、ついにリシェルはこの鎧を着用することに。

 しかし、ここで一つ問題が発生する。


「きつい…。はい…らない」


 リシェルがこの鎧を着ようとしても、明らかに鎧のサイズが小さすぎて、リシェルの体が全然鎧に入らないのである。


「そりゃまあ、全裸状態の人形(下着のみ着用)に合わせて作った鎧だからな。服着てたら入らんのは当然だろ」

「っ!」


 衝撃の事実にリシェルは一瞬表情が固まった。

 そしてリシェルは冷ややかな目でゼノに尋ねる。


「どうして、こんなことに?」

「この鎧は高速で動くのだから、余計な隙間などあっては肉をはさんだりして危ないだろ。安全性を重視するのなら、素肌にぴったりのサイズが一番だ」

「……………」

「さあリシェル、早くこの鎧を着てみたまえ」


 ゼノの言いたいことはわからなくもないが、やはり納得のできないリシェル。

 しかしこのまま鎧を着ることを拒んでしまうと、早くこの鎧を試したいゼノに、無理やり服をはぎ取られてこの鎧を着させられそうな気がしたため、リシェルはゼノの目の届かない所でさっさとこの鎧に着替えることにしたのである。


 そして鎧を着用して戻って来たリシェルに、ゼノは尋ねる。


「どうだ?着心地は。何か問題はないか?」

「冷たい」


 まあ、素肌の上に直接着ているのだから、ある意味当然の感想である。


「なるほど、冷たい…か。まあ、今は温暖な気候だから少々冷たい程度で済むが、冬の寒い時期や夏の暑い時期ともなると、素肌に金属の鎧が直接触れるのは大きな問題になるかもしれないな」

「うん」

「……よし、ならば鎧の温度を一定に保つ機能を後で追加することにしよう。これで問題ないな、リシェル」

「う…うん……」


 ちゃんと自分の意見に配慮してそういった機能を付け加えてくれるのはありがたいけれど、それよりもまずは、鎧の下に何か服を着させてほしい…と思うリシェルであった。

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