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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第1章 終わりの始まり
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第4話 MIYA


ーー 翌日


11:20


『では次のミュージックビデオをご紹介します。次にご紹介するのはこちら。先日新曲を発表したばかりのこの方。 "MIYA(ミーヤ"さんで。"To remember love"』


 幾つもの高層ビルが並ぶ中。映像が流れる巨大スクリーンに、音楽番組のMCを務める女性がそう言った途端。下を行き交う人々がその名前を聞いた瞬間に足を止め、視線を向けた。

 スクリーンには暗がりの奥から1人の少女が静かに歩い来るが、足元は水で浸かり、演出として空間全体に雨を降らせている。

 その少女はV系メイクをしたボーイッシュな少女だが、まるで人形の様でとても可愛らしい。

 髪型はショートヘアーで前髪の一部をネイビーブルーにしたバングカラー。

 装いは上から下まで真っ黒なV系ファッション。

 そんな少女の登場に、多くの人々が更に足を止め、画面に釘付けとなった。

 彼女は憲明の部屋にある写真に写っていた少女と同一人物。

 その少女が足を止めた瞬間、演奏が始まると歌いだす。



【 I love you, bat don't love me!


 <演奏>


 もう出会ってどの位経つのかな?

 もうアナタに私は必要ないでしょ?

 私にとってアナタの優しさは猛毒過ぎる

 だから私はアナタとの時間を 思い出に仕舞おう

 ねえ? 覚えてる?

 あの日 私を見つけてくれた日の事を

 (Thank you find…)

 嬉しかった ほんとに嬉しかった!

 (I will never forget that day!)


 <演奏>


 忘れない! 忘れない!

 アナタが私を愛してくれたことを!

 アナタが教えてくれた 人は1人では決して生きていけないことを!

 それでもアナタの記憶から… 私を消して

 アナタが私を忘れない限り 私の胸が締め付けられるの

 (So please,please forget me!)

 I'll save my life only for you. 】



 激しいダンスをしながら少女は歌う。

 そんなPVを見ている群衆の中で、3人組の女子高生達は少女の姿に見惚れていた。


「ヤバイ……、この曲……」


「うん……」


「なんか泣けてくる……」


「やっぱMIYAカッコいい……。顔は小さいし、スタイルもメッ……チャ良いし。」


「つーか……、可愛い……」


「「マジでそれ!」」


 そのMIYAのPVが終わる頃。映像に番組のMCが現れた。


『ご覧頂いたのは、MIYAさんの新曲で。"To remember love"。でした。さて皆さん、ここで嬉しいニュースです。このスタジオに、なななんと! なんと! ……MIYAさんにお越しいただいております! 初めまして! どうぞ宜しくお願いしますMIYAさん!』


『初めまして、こちらこそ宜しくお願いします』


 MIYAがスタジオに出ただけで人々はより一層 興奮を隠しきれない表情で、巨大スクリーンに注目した。

 先程の女子高生達は「え?! 嘘?!」、「マジでマジで?!」と大興奮状態だ。


『まさかMIYAさんが当番組に出演して下さるとは思ってもいませんでしたので、正直ビックリしてますし、興奮してます』


 女性MCがそう言いながら笑うと、MIYAも笑いながら『そんな驚かないで下さいよ』と応える。


『いやいや、驚かない方がおかしいですよ!』


『あははは!』


『だって! 16歳で世界の若き歌姫(ディーヴァと呼ばれてるんですよ?! 去年デビューした瞬間からその圧倒的な歌唱力とダンスで日本のみならず、アメリカ、中国、ロシア、イギリスと全世界で大絶賛! 新曲を出せば即完売! ついたあだ名は歌姫(ディーヴァ! 今や全世界でMIYAを知らぬ者はおらず! もう……、ほんっとうにありがとうございます!!』


 MCの興奮は治る気配が無かった。


『それにMIYAさんがこういった番組に出るのは初めてですよね?』


『はい、そうですね』


『失礼ですが、なぜ今まで他の番組等に出演なされなかったんですか?』


『そうですねえ……、それはやはり、私の友達にも関わってくるからですかね』


『お友達と言いますと、あの噂の?』


『はい』


『週刊誌から始まり、あらゆるメディアで話題になりましたね』


『まぁ家が家ですからね。仕方ないとは思いますよ』


『それがきっかけで色々と御苦労があったと思います……。ですが! それっすらも捻じ伏せる程の存在だった為に、正直、音楽業界は無視する事が出来ず、こうして活動することが出来ている訳なんですよね!』


『皆さんには本当に感謝しても仕切れません』


『でも凄い、凄すぎますよ!』


『友人には本当に迷惑をかけてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです』


『その御友人の方ですが、今回の楽曲も?』


『はい、私の為にと楽曲を作ってくれました』


『本当に素晴らしいと思います。楽曲だけでなく、ダンスなんかもその御友人の方が考えたんですよね?』


『はいそうです』


『いやあ……、凄い……』


『ここでこう言うのもなんですけど。本当に()()()()()()ですか? って言いたくなるくらいですよ』


『あはははははは! どんな方なんですか? メディアではかなり怖いって話を聞いたりしたんですが』


『そうですねぇ……。幼少の頃からの付き合いですから、そこまで怖いと感じた事が正直無いんですよねぇ。……ただ、何時も何を考えてるのかよく分からないって感じで。ヤクザの息子ってのを傘にする事はありませんし。確かに見た目は不良って感じで、目つきも悪いし、キツイ言い方をしたりしますけど。それとは裏腹って感じですかね?』


『っと、言いますと?』


『めちゃめちゃ動植物が大好きなんですよ。だから家には大きくて広い、ガラスの温室を作って、ジャングルを作るくらいなんです。実はそこを自分の部屋にしてるくらいですし』


『どの位の広さなんですか?』


『そうですねぇ……。軽く百坪以上はありますね……。二百? ……三百? もう半分以上がジャングルなのでどれだけ広いのか把握出来ない程の広さですから、流石によく解りませんね』


『広過ぎる!』


『それでその空間には何種類もの爬虫類を飼育してますね。中にはめちゃくちゃ大きな白いワニもいますから、プールも部屋にあります」


『怖すぎます!』


『アハハ! でもそんなに怖くないですよ? 名前は(ムクロって名前なんですけど。他のワニと比べると、なんだか普通のワニって言うよりは恐竜って感じなんですけどね。……昔、その彼がアフリカへ旅行しに行った時に出会い。どうにか連れて来たんですよ。それに頭が凄く良くて、何を言われてるのかを、その骸は理解してるんです』


『へぇ……』


『もう番犬ならぬ、番ワニですね、あはははは!』


『いやぁ、凄いですねぇ……。それではここで一つ、MIYAさんにこのサイコロを転がしてもらっても良いですか?』


『あっはい』


 サイコロの一面一面にはそれぞれ、色々な内容の質問が書かれている。


『そのサイコロで出た質問を答えて頂きたいと思います。では、お願いします』


 そう言われ、MIYAはサイコロを転がす。転がして出た質問は。


『はい、ありがとうございます。MIYAさん、なんの質問が出ましたか?』


『えぇ……っと。"今、好きな人はいますか?" です』


 その質問が出た瞬間、世の男達は願った。どうか好きな男が居ませんように。と。


『どうなんですぅ? MIYAさん。やっぱり16歳ともなれば好きな男性はいますかぁ?』


 MCはちょっとイジワルそうな顔でMIYAに聞いてみる。

 世の男達は思った。

 そんなイジワルな事を聞くなと。

 MIYAは頬を赤く染め、どうしようかと悩む表情を見せると、男達は逆にその顔に刺激され、頬を緩ませた。


『ん〜……。はい……』


 その答えに、世の男達の頭に雷が落ちたかの如く衝撃が走る。


『それはもしや、その御友人、だったりしますぅ?』


 MIYAは思わずビクッと驚くが、それには誰も気がついていない様子。

 だがMIYAはその友人が好きだった。それを気付かれないようにするため、誤魔化しながら質問に答える。

 のだが……。

 

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