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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第12章 悪魔の仮面
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第336話 今になって


 ノーフェイスが(なに)()いてえのかってのも、なんとなく()る。

 だけどロゼリアは(いま)(おれ)(たち)味方(みかた)であり仲間(なかま)なんだ。


「このまま(だま)って()てる(こと)なんざ俺達(おれたち)出来(でき)るわけねえんだから俺達(おれたち)()わらせる!」


「おやおや、(あつ)いじゃないか」


「さがってて(くだ)さい憲明(のりあき)さん」


「うっせえ! 出来(でき)ねえよんなもん! 援護(えんご)(まか)せたぞソラ! カノン!」


「ダークス! "超電磁砲(レールガン)"で援護(えんご)しつつこっちに()てくれ!」


 そこにソラ必殺(ひっさつ)の"殲滅射撃(せんめつしゃげき)"。そしてカノンは(つの)植物(しょくぶつ)魔力(まりょく)(あつ)めた(ひかり)属性(ぞくせ)の"魔光砲(まこうほう)"も(くわ)わる。


一旦(いったん)(はな)れろロゼリア!」


 (おれ)言葉(ことば)にロゼリアが(すこ)(はな)れると、ダークス、ソラ、カノンの攻撃(こうげき)一斉(いっせい)(はな)たれた。

 普通(ふつう)ならこの攻撃(こうげき)をまともに()らえば、そこらにいるモンスターを瞬殺(しゅんさつ)出来(でき)威力(いりょく)


(げい)()いね」


 出来(でき)ればついでに、ここでミルクに(だい)ダメージを(あた)えてやりてえけど、ミルクがどれだけ(つよ)いのかを()ってるからきっと無理(むり)だろ。

 それにノーフェイスだってミルクを厄介(やっかい)()ってておきながら、そんなミルクの(うご)きについてってるあたり、(みと)めたくねえけど(おも)ってるよりも結構(けっこう)(つよ)い。

 そんなノーフェイスはバリアみたいな障壁(しょうへき)(つく)り、ダークス(たち)攻撃(こうげき)簡単(かんたん)(ふせ)ぎながらまたミルクと戦闘(せんとう)をする。


 だからと()ってこのまま野放(のばな)しに出来(でき)相手(あいて)じゃねえんだよテメーは!


 ここでノーフェイスを(たお)さなきゃ、きっと俺達(おれたち)(かべ)になる。


(おく)れてすまぬ!」


「バニラ!」


「とうっ! (うな)()(みぎ)(こぶし)! (あく)には鉄拳制裁(てっけんせいさい)! ふんぬ!」


(つぎ)から(つぎ)へとよく(あつ)まる」


 ミルクと(けん)をぶつけ()っていたノーフェイスにバニラが攻撃(こうげき)仕掛(しか)けるけど、簡単(かんたん)()ける。


「その仮面(かめん)貴様(きさま)、あの道化(どうけ)仲間(なかま)()た」


()()けろバニラ! そいつ! 邪竜教(じゃりゅうきょう)のボスだ!」


「ぬぁにっ?! ぬ~……、貴様(きさま)かぁ……、あの和也(かずや)をおかしくした元凶(げんきょう)は! ……(ゆる)せん! 貴様(きさま)(だん)じて(ゆる)せん! 貴様(きさま)さえ(あらわ)れなければあの凶星十三星座(ゾディアック)もきっとまだ(うご)かなかった(はず)! 貴様(きさま)こそが世界(せかい)(てき)だ!」


 その(とお)りだ! コイツさえいなきゃきっと今頃(いまごろ)……!


 カズと何度(なんど)喧嘩(けんか)をしてはいたけど、一緒(いっしょ)(わら)いあった毎日(まいにち)記憶(きおく)(あたま)(なか)(なが)れ、(おれ)はますます(いか)(くる)った。


全部(ぜんぶ)テメーのせいなんだよノーフェイス!! カズが()こうに()っちまったのも! 東京(とうきょう)がこうなっちまったのも! 全部(ぜんぶ)全部(ぜんぶ)! 全部(ぜんぶ)テメーがいるからなんだよクソボケヤローが!!」


「おやおや、そんなに(おこ)っても状況(じょうきょう)()わらないと()うのに。はは……。……()めるなよ? ガキ風情(ふぜい)が」


 この(とき)(はじ)めてノーフェイスから殺気(さっき)()じる(いか)りを(かん)じた。


「だいたい、世界(せかい)がこうなったのも全部(ぜんぶ)あのゼウスのせいじゃないか、それを(わたし)()()けるなよ? ……(わたし)はこの(ほし)(あい)し、あの方々(かたがた)(あい)した……。それを(うば)い、()(もの)(がお)世界(せかい)蹂躙(じゅうりん)し! あまつさえ破壊(はかい)した! ……(わたし)はずっと()ていた、(とお)くからこの(ほし)(うつく)しい姿(すがた)へと()わっていくのを、ずっと()ていた」


「お(しゃべ)りしていて()いんですか?」


(かま)わないさ、別段(べつだん)(きみ)相手(あいて)をしていてもさ(ほど)問題(もんだい)()いんだよミルク。(わたし)はね、いや、()()()()()()()()()()()()、あの(うつく)しかった世界(せかい)をもう()(こと)出来(でき)ないのが。……だったらもうこんな世界(せかい)()くなってしまっても()いじゃないか」


(なに)()きなことベラベラと()ってんだよ! いい加減(かげん)(だま)って()ねよ!」


(だま)るのは(きみ)だよ憲明(のりあき)(くん)


 ()()()けない(はや)さで突然(とつぜん)、ノーフェイスは(おれ)()(まえ)移動(いどう)し、(おれ)(かお)至近距離(しきんきょり)から(なが)めてまた(しゃべ)る。


(かた)(よく)(きみ)がどうして()づかない?」


「な、(なに)をだよ?!」


 (おどろ)いて(なに)出来(でき)ないでいたけど、ノーフェイスの言葉(ことば)(おれ)はそこで、(おも)わず"ヴァーミリオン"を()るった。

 でもそこにはもういない。


「どうして(きみ)はまだ()づかない?」


 ノーフェイスが(おれ)真後(まうし)ろにいる。


「クソッ!」


(きみ)はあの(かた)(かた)(よく)(かた)(よく)であり、あの(かた)(かんが)えが多少(たしょう)理解(りかい)していると()うのに、何故(なぜ)?」


 真後(まうし)ろにもう一度(いちど)(けん)()るうと、今度(こんど)(おれ)右肩(みぎかた)()()いて(よこ)にいる。


「チッ!」


 もう一度(いちど)駄目(だめ)もとで()るうと今度(こんど)(おれ)の"ヴァーミリオン"を素手(すで)簡単(かんたん)(つか)み、(おれ)(かお)(のぞ)()んだ。


「もしやまだ()()()()()()()?」


「なんなんだよさっきっから!」


「……そうか、あの(かた)(きみ)()()()()()()()()()()


覚醒(かくせい)覚醒(かくせい)って! さっきっからうっせえんだよ! (なに)()いてえんだよ!」


「その言葉(ことば)(どお)りだよ、(きみ)自覚(じかく)()以上(いじょう)(わたし)から(おし)える義理(ぎり)()いね」


 コイツはいったい(なに)()ってるって()うんだよムカつく!


無事(ぶじ)か?! 憲明(のりあき)!」


「おっさん!」


 御子神(みこがみ)のおっさんとミラさんも()てくれた。

 しかも他のチームも。


「また()えた」


絶対(ぜったい)テメェを()がさねえからな!」


「さて? それはどうだろう?」


 その(とき)(はら)(きゅう)(あつ)くなったかと(おも)うと激痛(げきつう)(かん)じた。


「……クソッ、タレが!」


何故(なぜ)ならここで(きみ)(わたし)()すからだ」


 (おれ)(はら)短剣(たんけん)()()さり、()(にじ)()る。


憲明(のりあき)!!」

(いか)りに(まか)せて(ちか)づくからだ馬鹿(ばか)!!」


 ヤッさんと一樹(かずき)(あわ)てて()()ってくれるとノーフェイスは(はな)れ、そこへミルクが(ふたた)攻撃(こうげき)仕掛(しか)ける。


(わたし)(わす)れないで(くだ)さい」


「おや、(きみ)憲明(のりあき)(くん)心配(しんぱい)じゃないのかい?」


「……勘違(かんちが)いしないで(くだ)さい、あの(ひと)(わたし)(てき)同士(どうし)。どうして(てき)心配(しんぱい)しないといけないんですか?」


「ははは! (たし)かにその(とお)りだね! だけど彼女(かのじょ)激昂(げっこう)して(いま)にもここへ()るだろう」


 ヤロゥ……。


馬鹿(ばか)野郎(やろう)が! あの状況(じょきょう)なら()(はな)れろ!」


「わ、(わる)い」


 一樹(かずき)(おこ)りながら回復(かいふく)魔法(まほう)使(つか)える岩美(いわみ)()び、回復(かいふく)させる(まえ)止血(しけつ)しようと(きず)()てくれると。


「は? ……もう回復(かいふく)してるのかよ?」


「え?」


 ()われて()てみると、()された(きず)再生(さいせい)(はじ)めていた。


 なんでだ? (いた)みももう()い……。

 あっ、まさか!


「これって"ヴァーミリオン"の能力(のうりょく)か!」


 強化(きょうか)する(ため)にエルピスの(はね)使(つか)い、お(かげ)()にかけていたイリスをなんとか(たす)ける(こと)出来(でき)たんだけど、それってその(とき)(けん)(つう)じてエルピスが(たす)けてくれたからだ。

 それが強化(きょうか)された(こと)でヤバいと(おも)える(きず)(なお)してくれるようになった。

 けど、それを()って(おれ)納得(なっとく)出来(でき)ない気分(きぶん)になったんだ。


「だったら……、そこまで能力(のうりょく)(たか)くなってるなら、その(ちから)(たす)けられる(いのち)(たす)けられたんじゃねえのかよ……?!」


 きっと、もしかしたらダリアを(たす)けられていたかも()れねえし、(たと)出来(でき)なくてもそれでも(なに)かやれたんじゃねえかな。

 それが(くや)しかった。

 それにココ(たち)だって(たす)けられていたら、親父(おやじ)さんのあの(かな)しむ(かお)をさせずに()んだ(はず)なんだし。


「くそっ……、でも(おれ)(よわ)いからなんだよな……」


 (あふ)れそうになる(なみだ)()(ぬぐ)い。

 (おれ)(あら)たにこの"ヴァーミリオン"で(すく)える(いのち)(たす)ける(こと)出来(でき)るようになってみせると、(こころ)(ちか)いを()てた。


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