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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第12章 悪魔の仮面
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第335話 仮面と魔犬


 (こえ)がバラバラって(たと)えたのは、(おとこ)(こえ)(おんな)(こえ)()わったりするからだ。

 少なくとも(おとこ)2()(おんな)1()

 最初(さいしょ)(おとこ)だと(おも)ってたからどっちがどっちなのかわけがわからねえ。

 ()(こと)はひとつ。


「その()(かた)だと、アイツの(こと)(した)ってたんだろ。……なら、なんでアイツの(しあわ)せを(ねが)ってやらねえんだよ! 2()(しあわ)せが(こわ)れてでもアイツを(まも)ってやらねえで! どうして裏切(うらぎ)ったんだよ?!」


「……愚問(ぐもん)だ」


「なに?!」


(わたし)(たし)かにあの(かた)(した)っていた。あの(かた)存在(そんざい)し、(やさ)しかったからこそ(わたし)()まれた」


「んじゃどうして!」


「……御二人(おふたり)(そろ)わなければ存在(そんざい)している意味(いみ)()いからだよ」


「……カズ1()じゃ、意味(いみ)ねえのかよ……」


「その(とお)り」


「……お(まえ)はいったい、なんなんだ……。(こえ)がバラバラだし、(おな)人物(じんぶつ)なんだろうけどまるで(ちが)う。……お(まえ)多重人格(たじゅうじんかく)なのかよ?」


 その(こた)えをノーフェイスは(けっ)して(はなし)はしなかったけど、(おれ)疑問(ぎもん)はあながち間違(まちが)っちゃいない(こと)は……。

 カズとの最終決戦(さいしゅうけっせん)()(まえ)になる、ノーフェイスとの決着(けっちゃく)がつく(とき)(あき)らかになる。


「まだ、()必要(ひつよう)()い」


「あーそーかよ!!」


()たまえ。彼女(かのじょ)(たち)が"アフティオアメス"の相手(あいて)をするなら、君達(きみたち)責任(せきにん)をもって(わたし)相手(あいて)をしてあげよう」


「ざけんな!! (なに)責任(せきにん)をもってだよ!! さっきから馬鹿(ばか)にしやがって!!」


(げん)君達(きみたち)がどれだけ本気(ほんき)だろうと、(わたし)(てき)ではないからだよ」


 ま、マジでぶっ殺してやる!!


「では(わたし)相手(あいて)をしますよ?」


「……これはまた厄介(やっかい)な」


 (おれ)(たち)相手(あいて)にならないならと、その()(あらわ)れたのはミルクだった。


「なにしに()たんだよミルク」


「ご挨拶(あいさつ)ですね、(わたし)はイリスの()わりに(かれ)らを()いかけていたんです。そしたらそこに貴殿(あなた)(がた)がいた。ただそれだけです」


「ははは、あのイリスが(かれ)らの味方(みかた)になったと()った(とき)(おどろ)いたが、その()わりに(きみ)()っていたとはね」


 瞬間(しゅんかん)、ミルクが()(ほのお)(まと)った(あか)日本刀(にほんとう)が、ノーフェイスの(のど)(もと)まで()られていた。


 (はや)い!


 その(うご)きは美羽(みう)なんかよりもっと(はや)い、まさに一瞬(いっしゅん)(はや)さ。


「おっと、(あぶ)ない(あぶ)ない」


抜刀(ばっとう)、"風翔閃(ふうしょうせん)"」


 ノーフェイスに回避(かいひ)されると、(あお)日本刀(にほんとう)がチンッて(おと)だけして(さや)(もど)っていて、まるでカマイタチみたいな物凄(ものすご)(かぜ)がノーフェイスを(おそ)った。


(わたし)攻撃(こうげき)からは(だれ)だろうと()げられません」


「……ほんと、(きみ)(たち)規格外(きかくがい)だから(まい)るよ」


()言葉(ことば)をどうも。では()んで(くだ)さい」


 規格外(きかくがい)()われたミルクは相変(あいか)わらずニコッとした(かお)微笑(ほほえ)んでいるけど、()(わら)ってない。


「だけどそう簡単(かんたん)()(わけ)にはいかないんだよね」


 ミルクの攻撃(こうげき)(つう)じていないのか、ノーフェイスは距離(きょり)()ると魔法(まほう)攻撃(こうげき)反撃(はんげき)()る。

 両手(りょうて)(かる)(ひろ)げ、赤黒(あかぐろ)球状(きゅうじょう)(もの)(いく)つも()してミルクに()けて(はな)つ。その威力(いりょく)は"アフティオアメス"の攻撃(こうげき)よりもある爆発(ばくはつ)があり、俺達(おれたち)がまともにそれを()けたら重傷(じゅうしょう)(さけ)けられないだろ。

 でもミルクはそんな攻撃(こうげき)簡単(かんたん)()けながらノーフェイスとの距離(きょり)(ちぢ)める。


(おそ)いですね」


「はぁ……、ほんと、(いや)になるね。(ほのお)(かぜ)はおろか、(やみ)すら(たか)耐性(たいせい)()っていると。でもこれならどうだい?」


 赤黒(あかぐろ)球体(きゅうたい)はどうやら(やみ)属性(ぞくせい)らしい。(つづ)けてノーフェイスは、()るからに(ひかり)属性(ぞくせい)(おも)える(けん)(つく)り、ミルクが()(けん)(はげ)しい鍔迫(つばぜ)()いを(はじ)めた。


「あの(かた)がお(つく)りになられただけの(こと)はあるね」


「……それはにぃにを侮辱(ぶじょく)してるんですか?」


「そんかつもりは()い。あの(かた)(つく)られたその二振(ふたふ)りの(けん)見事(みごと)としか()いようが()い」


 (ひかり)属性(ぞくせい)まで使(つか)えるって、アイツはマジでなんなんだよ?!


 そこへ(さら)(べつ)(やつ)()て、()混戦(こんせん)する(こと)になる。


(ひさ)しぶりですね、ボス」


「なんだ、(きみ)まで()たのか」


 ノーフェイスと()仮面(かめん)(かぶ)っているロゼリアが参戦(さんせん)し、ミルクと二人係(ふたりがかり)()める。


邪魔(じゃま)です、(わたし)だけで十分(じゅうぶん)なのでどっか()ってください」


「そんな(わけ)にもいきません。ノーフェイスは(もと)とは()(わたし)のボスでしたので、(わたし)相手(あいて)をします」


(べつ)君達(きみたち)同時(どうじ)相手(あいて)をしても()いけど、面倒(めんどう)だからもう(すこ)本気(ほんき)()すとしよう」


「……()めないで(くだ)さい」

「……ふざけたことを」


 ミルクは2(ほん)(かたな)使(つか)二刀流(にとうりゅう)。ロゼリアは魔法(まほう)使(つか)いながらの格闘戦術(かくとうせんじゅつ)

 そんな2()がノーフェイスと(たたか)っていると、今度(こんど)はお(たが)いまで戦闘(せんとう)(はじ)めて、()(どもえ)状況(じょうきょう)()わる。


 なんでこの状況(じょうきょう)でそうなるんだよ!


 この(とき)はそう(おも)ったけど、そうなるのは当然(とうぜん)っちゃ当然(とうぜん)だよな。

 だってロゼリアとミルク、それにノーフェイスはお(たが)(てき)なんだからよ。


「それにしても、我々(われわれ)を裏切(うらぎ)ったのだから()こうへ(もだ)ったと(おも)っていたんだけどね」


「……そうですね、(たし)かに(わたし)元々(もともと)あの(かた)配下(はいか)でしたし。ですが(のぞ)みが(かな)った(いま)憲明(のりあき)さん(たち)手助(てだす)けをする(こと)(いま)(わたし)使命(しめい)だと(おも)っておりますので」


 (たし)かにそうだよな。ロゼリアはカズの配下(はいか)だったんだし、カズからも(そば)にいろって()われてた。

 なのに、ロゼリアはカズ(たち)とは()かずに俺達(おれたち)一緒(いっしょ)にいてくれる。

 カズに(なに)かを()われたからなのかもって(おも)ったけど、ロゼリアの()(かた)からしてカズ(たち)とは()かず、俺達(おれたち)手助(てだす)けをしてくれる(ため)(のこ)ってくれたみたいだ。


「あの(かた)裏切(うらぎ)り、我々(われわれ)をも裏切(うらぎ)(きみ)はさしずめ、コウモリのようだねシャノン」


「……コウモリでけっこう。それに(わたし)はその()()てました」


 ノーフェイスがどれだけ(つよ)いのか(わか)らねえけど、ロゼリアがまさかミルクを相手(あいて)にしていても、まったく()けを()らない実力(じつりょく)()っていた(こと)にビックリだ。

 ミルクはまだ(すず)しい(かお)をしてるからきっとまだ本気(ほんき)()していないし、ノーフェイスは(わら)ってる(かん)じが(つた)わってくる。

 俺達(おれたち)全員(ぜんいん)相手(あいて)をしたらきっと()けるだろ。

 (べつ)冷静(れいせい)状況判断(じょうきょうはんだん)出来(でき)なくても、これは(わか)ってもらえる(はず)だ。

 カズがどれだけ(つよ)いのかって(こと)を。

 ノーフェイス、ミルク、それに凶星十三星座(ゾディアック)連中(れんちゅう)なんかよりよっぽどヤバいのがカズだ。

 ましてや凶星十三星座(ゾディアック)(たち)はまだ、全盛期(ぜんせいき)(ちから)()(もど)しちゃいない。

 ノーフェイスなんて一瞬(いっしゅん)()せる。


「……()けてられねえよな?」


 (おれ)質問(しつもん)に、全員(ぜんいん)力強(ちからづよ)(うなず)いた。


「クロ、ソラとカノンは(ちか)くにいるんだよな?」


<ガウッ>


 二体(にたい)気配(けはい)はなんとなく(かん)じていたし、(つな)がりが(つよ)くなってるからなのか自然(しぜん)にな。


「お(まえ)(ちか)くにいるなら()い、ダークス」


<キュルリリルルララッ!>


 一樹(かずき)のパートナー、白銀(はくぎん)(いろ)のダークスが(あらわ)れると(ほか)のパートナー(たち)(かお)()し、それぞれのパートナーの(そば)()かう。


「ビビってる(やつ)いるか?」


「いるわけねえだろ」


「だよな? んじゃ、ロゼリアばかりに()いカッコさせてられねえよな~?!」


勿論(もちろん)!」


()くぞ! あのクソボケ仮面(かめん)(おれ)(たち)でぶち(ころ)す!」


 (おれ)一樹(かずき)(くみ)、ヤッさんは佐渡(さわたり)、サーちゃんはシーちゃん、岩美(いわみ)里崎(さとざき)()んだ。


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