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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第12章 悪魔の仮面
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第328話 愚直に君が好きだから


 カズとゼストは(たの)しげに(はなし)をしてるけど、こっちとしてはそんな余裕(よゆう)がまったく()い。

 (とく)美羽(みう)問題(もんだい)かもしれなかった。

 美羽(みう)はカズが何処(どこ)にいるのかたった1()(さが)(つづ)けていた(わけ)だし。まぁ、銀月(ぎんげつ)やステラ、アクアやバウもいたから(べつ)に1()ってことも()かったけど。


()くなよ美羽(みう)(おれ)を1()(さが)してたんだろ? ほら、(おれ)はここにいるぞ?」


「……」


(わる)かった、(おれ)(わる)かったから(ゆる)してくれ。ほら」


 そう()ってカズが両手(りょて)(ひろ)げて美羽(みう)()るのを()つと、美羽(みう)我慢(がまん)限界(げんかい)がついにきて完全(かんぜん)()きだし、カズに()()めてもらう(ため)()()いた。


「よしよし、……(わる)かった、本当(ほんとう)にゴメンな。だからと()って1()無茶(むちゃ)(こと)しないでくれ。なんで憲明(のりあき)(たち)相談(そうだん)もしないで行動(こうどう)したのか今更(いまさら)(おれ)()かねえが、もう(もど)っても()いだろ」


「……」


「……まっ、(おれ)注意(ちゅうい)しても()かねえか」


「そりょそうだ、お(まえ)美羽(みう)(おこ)らせて()かしたのが原因(げんいん)なんだからよ」


「ククッ、(いた)いことを()ってくれるじゃねえか一樹(かずき)(たし)かにその(とお)りだ。全部(ぜんぶ)(おれ)()いた(たね)だ。しかもまさかクラスの連中(れんちゅう)全員(ぜんいん)がこうして()るなんて(おも)っちゃいなかったな」


相手(あいて)がお(まえ)なんだから当然(とうぜん)だろ」


 そこでグレイが(あき)れながらカズに()うと。


「そうよ! 最初(さいしょ)、アナタがあの冥竜(めいりゅう)()まれ()わりって()った(とき)(おそ)ろしかったけど」


「うん、よくよく(かんが)えてみれば(きみ)(きみ)だし、(わたし)(たち)(みんな)(きみ)色々(いろいろ)とお世話(せわ)にもなった(わけ)だし」


「そうだよ。あのね? (たし)かに(いま)でも(こわ)いよ? だけど、和也(かずや)(くん)がどんな(ひと)なのか私達(わたしたち)()ってるもん。だから、(きみ)がどうして(てき)にならなきゃいけないのか、私達(わたしたち)()いたの。それで()めたんだよ? (きみ)を、和也(かずや)(くん)(たす)ける(ため)に、クラスの(みんな)(きみ)(たたか)うって」


絶望(ぜつぼう)だか終焉(しゅうえん)だかなんだかしらねえけど、俺達(おれたち)仲間(なかま)なんだしその仲間(なかま)(たす)ける(ため)ならどんな協力(きょうりょく)でもするぜ?」


「「そうだそうだ!」」


「……お(まえ)ら」


 クラスの連中(れんちゅう)(みんな)(みんな)(おれ)美羽(みう)とかさ、一樹(かずき)やヤッさんとかカズと(ふか)(かか)わってる(わけ)でもねえのに、こうして協力(きょうりょく)してくれるって()ってくれるのが(おれ)としては(うれ)しかった。


私達(わたしたち)全員(ぜんいん)貴方(あなた)(はな)つその独特(どくとく)なオーラを(おぼ)えていますもの。ほんの些細(ささい)違和感(いわかん)には敏感(びんかん)(かん)じられますわ。ましてや、貴方(あなた)があの(りゅう)姿(すがた)になった(とき)恐怖(きょうふ)(みんな)(わす)れられる(はず)()いですもの」


「そりゃそうだ、レイナの()(とお)りだ。……ククッ、……ありがとな、お(まえ)ら。そうだ、(れい)()っちゃあれなんだが、……一緒(いっしょ)(うた)わねえか? 美羽(みう)


「……」


「イリス、お前もどうだ? 3(にん)(うた)おう」


「……美羽(みう)(ねえ)()いなら」


「……うん、()いよ……」


()まりだ。(うた)いたい(きょく)()ってくれりゃピアノでその(きょく)()く」


 カズがピアノを()きながら美羽(みう)とイリス、3(にん)一緒(いっしょ)(うた)うのは何気(なにげ)(はじ)めてだったと(おも)う。

 何時(いつ)もはどちらか2()だけってのが(おお)かったし、練習(れんしゅう)()ってもその()にカズがいない(こと)だってあったから時間(じかん)やタイミングがなかなか()わなかった(わけ)だし。


美羽(みう)(ねえ)()めて()いぜ?」


「……なら」


 そこで美羽(みう)(うた)いたい(きょく)(めい)(くち)にした(とき)、どこか、カズの様子(ようす)()わる。

 その曲名(きょくめい)は。 


 "Prominence(プロミネンス) Love(ラブ)"


「……()いのか? その(きょく)(きら)いになったんじゃねえのか?」


大丈夫(だいじょうぶ)、ちゃんと(うた)えるから」


「……わかった」


「あの、それでね? カズには(わる)いけど、歌詞(かし)(すこ)()えさせてもらった」


「……お(まえ)がまた(うた)ってくれるなら多少(たしょう)()えても()いさ」


 その(きょく)(なに)かあったのか?


 "Prominence(プロミネンス) Love(ラブ)"って(きょく)(はじ)めて()くから、(おれ)はその(きょく)(なに)があったのかなんて、全然(ぜんぜん)(なに)()らないでいた。


【 愛しています心からそう伝えたい

 正直な気持ち 直接言えなくて 本当にゴメンね

 |他の人を愛さないでね《(他の人を愛していいよ)》

 君は僕にとっての太陽で月なんです だから誰にも奪われたくないのが本音です

 |君がいるから私がいる《(君がいるから僕がいる)》

 だけどそんな私のワガママを どうか 聞いてください

 何度目かの あの夏の夜を私は忘れない

 好き その言葉を聞いて私は嬉しかったしずっと一緒にいたいと思えたよ

 君に出会えてよかった 心から

 君に出会わなければ私はどんな生き方をしてただろう 本当によかったと思えるよ でも行かなきゃいけない私を どうか許して


 好きです((好きです)) 大好きです((大好きです)) 愛してます((愛してる)) 誰よりも愛してます (君の事を)

 忘れないで 覚えておいて 私が君の事が好きなことをどうか 忘れないで

 (Prominence(プロミネンス) Love(ラブ) Prominence(プロミネンス) Love(ラブ))


 君を背に乗せどこまでも飛んでいきたい

 君と一緒にどこまでも どこまでも旅に出たい 何もかも忘れて2人だけで 手を繋いで一緒に出たい

 生まれ変わっても((生まれ変わっても))|きっと君をみつける《(きっと君をみつける)》(きっと)

 生まれ変わっても君を愛したい 生まれ変わっても 君に愛されたい((愛されたい))(約束しよ)

 Prominence((愚直に君が) Love(好きだから)) 離したくないよ((愛してるから)) 君の手を((君の手を)) 君の手を((君の手を) でも離さなきゃ((でも離さなきゃ))(好きだから)

 抑えきれない感情を殺し行かなきゃいけない私を許して下さい 嫌いになったわけじゃないよ(本当に) 本当は側にいたいよ 君の瞳を((君の瞳を)ずっと見ていたいよ(ずっと見ていたいよ))(行きたくないな)


 君に抱かれて飛んでいきたい 君と一緒に生きたい

 あぁ 時間()が来て私は消えてしまう それまで私は君の側に (いさせて) 】


 正直(しょうじき)()いていてなんだかせつなくなってくる。

 (おれ)はどこら(へん)()えたのかサッパリ(わか)らねえけど、お(たが)()きで(あい)()ってるのに(はな)れなきゃいけなくなったってイメージがある。

 それって美羽(みう)(べつ)(きょく)、"To(トゥー) remember(リメンバー) love(ラブ)"って(きょく)に。


「……美羽(みう)、お(まえ)……」


 ん? どうしたんだ? カズが動揺(どうよう)してる?


「ずっと(かん)えてたの。カズ、(わたし)()()()()()


 …………は?


「お、おまっ! お(まえ)なに」

   「ずっと(かんが)えてたの、……そうする(こと)(いま)のカズにとって一番(いちばん)()いんじゃないかって」


「だからって、(わか)れるなんて簡単(かんたん)()うなよ! カズがどんな気持(きも)ちかお(まえ)一番(いちばん)()かってるんじゃねえのかよ?!」


()かってる。()かってるから(わか)れるの」


 いや……意味(いみ)わかんねえし。


「……わかった」


「お(まえ)はなんでそれを()()れんだよ?! あぁア?! ざけんなよおい!! (おれ)(みと)めねえぞ!!」


 (おれ)はブチギレた。美羽(みう)言葉(ことば)勿論(もちろん)、それを()()れるカズに。


(おこ)んないでよ……」


「は?! (おこ)るに()まってんだろ!!」


 勿論(もちろん)(おこ)のは(おれ)だけじゃない、その()にいるクラスメイト全員(ぜんいん)だ。


()ったじゃん、一度(いちど)だって。(べつ)(きら)いになった(わけ)じゃないの。だから勿論(もちろん)、その(とき)()たら()りを(もど)すつもりよ」


「その(とき)()たらって何時(いつ)(はなし)だよ?!」


「そんなの()()()()()()()()()!」


「え、おまっ、……え? あっ……、なるほど……」


「はぁ……、(するど)いんだか(にぶ)いんだか」


「あっ、あはは、だってお(まえ)、な~?」


 (まわ)りに同意(どうい)()ようと見渡(みわた)したけど、その意味(いみ)をちゃんと理解(りかい)してるのは何時(いつ)もの連中(れんちゅう)だけで、(ほか)のクラスメイト(たち)理解(りかい)していなかった。


「だからカズ、その(とき)()たら(わたし)はアナタを(ころ)しに()くから。その(あと)()り、(もど)そうね」


「……()かった。だったらちゃんと(おれ)(ところ)まで辿(たど)()け。だがよ、(おれ)(まえ)()ず、ゼスト(たち)凶星十三星座(ゾディアック)退(しりぞ)けてからだ」


「うん、勿論(もちろん)()かってる」


「まっ、美羽(みう)(かん)しては問題(もんだい)()いだろ。あるとすりゃ(ほか)連中(れんちゅう)だな」


 (たし)かにそりゃそうだ。


「お(まえ)()きになってよかったよ」


「でしょ? (わたし)(あきら)めが(わる)(おんな)だから」


「クククッ、それな」


「あっ、でも一度(いちど)(わか)れる(まえ)に、……ひ、()()りにさ? その、ほら、……ずっとしてなかったし?」


「はいはい、0()までには(もど)らなきゃならねえからそれまでタップリ可愛(かわい)がらせて(いただ)きますよ」


「やった!」


「「(やったじゃねえよオイッ!)」」


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