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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第12章 悪魔の仮面
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第326話 一時的に目覚めた、いと尊き絶対なる神


 学園祭(がくえんさい)(おこな)われている(ころ)


 ーー 竜国(りゅうこく) ーー


 (おお)くの(りゅう)魔族(まぞく)、そして亜人(あじん)(たち)などが(あつ)まる大広間(おおひろま)(まえ)には凶星十三星座(ゾディアック)(たち)(あつ)まっていた。

 その(かれ)らの(まえ)には数段(すうだん)階段(かいだん)があり、そこにゼストが1(ひとり)()っている。

 ゼストの(うし)ろには(おお)きな玉座(ぎょくざ)があるが、そこには(だれ)(すわ)っていない。

 だが、その玉座(ぎょくざ)冥竜(めいりゅう)(おう)(もの)なのは(あき)らかだ。


(みな)よく(あつ)まってくれた。ーー 只今(ただいま)より、(あら)たな凶星十三星座(ゾディアック)発表(はっぴょう)する(ため)()()()()()()()()()()()()()()()


 その言葉(ことば)(あつ)まった者達(ものたち)歓喜(かんき)すると。


(われ)らが(あるじ)冥竜(めいりゅう)(おう)・アルガドゥクス(さま)、ご入場(にゅうじょう)(いた)します」


 その言葉(ことば)(あと)(あつ)まっていた者達(ものたち)(うし)ろにある、(おお)きな(とびら)(おと)()てながら(ひら)かれ、アリスを筆頭(ひっとう)にヴェロキラプトル(たち)(あらわ)れる。

 それと(とも)に、その()にいる(おお)くの者達(ものたち)中央(ちゅうおう)にある通路(つうろ)へと(からだ)()け、一斉(いっせい)に跪い(ひざまず)き。それは靴音(くつおと)()らしながら(はい)って()た。


「「おはよう御座(ござ)います。(われ)らが陛下(へいか)」」


「…………」


 (おお)くの者達(ものたち)挨拶(あいさつ)するが、機嫌(きげん)(わる)いからなのか強烈(きょうれつ)威圧感(いあつかん)(はな)ち、挨拶(あいさつ)一切(いっさい)(かえ)さない。

 だが、部下(ぶか)(たち)にしてみればそれですら幸福(こうふく)(かん)じていた。

 凶星十三星座(ゾディアック)(たち)(おな)じだ。

 (ちが)うとするならば、凶星十三星座(ゾディアック)はふたてに(わか)れて整列(せいれつ)し。(みち)()けて(こうべ)()れ、それが(とお)りすぎるまで(しず)かに()つ。


「おはよう御座(ござ)います、兄者(あにじゃ)本日(ほんじつ)()きて(いただ)きまして、大変(たいへん)(もう)(わけ)御座(ござ)いません」


 ゼストは1(いっぽ)(うし)ろに()がって頭を()げ。(おう)であり(あに)冥竜(めいりゅう)(おう)玉座(ぎょくざ)(すわ)ってもらうため、ゼストは()()ばして玉座(ぎょくざ)(しめ)す。

 (しめ)された冥竜(めいりゅう)(おう)(だま)って(すわ)り。この(とき)(はじ)めて第一声(だいいっせい)(はっ)した。


「……おはよう」


「「おはよう御座います! (われ)らがいと(とうと)(あるじ)にして絶対(ぜったい)なる(かみ)! 冥竜(めいりゅう)(おう)・アルガドゥクス(さま)!」」


 その()にいる(すべ)ての者達(ものたち)冥竜(めいりゅう)(おう)へと()(なお)し、(あらた)めて(ひざまず)いて挨拶(あいさつ)(かえ)した。


「……その()(かた)、いい加減(かげん)やめねえか?」


「ふふっ、それは出来(でき)ない相談(そうだん)ですよ、兄者(あにじゃ)


「ちっ、わかったわかった。んじゃさっさと(はじ)めろ」


「かしこまりました」


 この(とき)、ゼストはまだ自分達(じぶんたち)()(あに)だと(かん)じ、安堵(あんど)していた。


「ではこれより、(つぎ)者達(ものたち)(あら)たなナンバーズ、(なら)びに幹部(かんぶ)とする」


 ゼストの言葉(ことば)(ふたた)(とびら)(はら)かれ、最初(さいしょ)(なか)(はい)って()たのは。


朱莉(あかり)、ゴジュラス、ミルク」


 その3(さんめい)(だれ)もが()存在(そんざい)であり、(とく)危険(きけん)とされてる。


「お前もだアリス」


 ヴェロキラプトルのアリスが()ばれた時、凶星十三星座(ゾディアック)以外(いがい)者達(ものたち)(あいだ)で。何故(なぜ)、アリスが()ばれたんだと疑問(ぎもん)(かん)じる空気(くうき)(なが)れたが、それを下手(へた)(くち)にする(こと)(ゆる)されない。

 何故(なぜ)ならそれは(いま)、この()支配(しはい)しているのは自分達(じぶんたち)(おう)だからだ。

 そんな()ばれた4(にん)玉座(ぎょくざ)(つづ)階段(かいだん)(した)(まえ)まで(すす)み、そこで(ひざまず)く。


<アリス、()ばれたのだからその姿(すがた)じゃなく、"竜人(りゅうじん)"の姿(すがた)になれるのだからそっちの姿(すがた)になりなさい>


<……失礼(しつれい)しました>


 (よこ)にいる(おっと)のゴジュラスに(たしな)められたアリスは()()がり。(くろ)(きり)(よう)(やみ)放出(ほうしゅつ)させるとそこには、(かみ)内巻き(ワンカール)()ばれる綺麗(きれい)銀髪(ぎんぱつ)(かみ)をした、まるでエルフの(よう)(うつく)しい女性(じょせい)姿(すがた)へと()わる。

 だが完全(かんぜん)(ひと)姿(すがた)をした(わけ)じゃない。

 (たし)かに(ひと)姿(すがた)だがイリス同様(どうよう)(なが)綺麗(きれい)(しろ)()がある。

 だがイリスの()(くら)べるとその半分(はんぶん)(ほど)だろうか。


(もう)(わけ)ありませんでした」


「ククッ、かまわねえさ。お(まえ)はお(まえ)()きなようにすりゃ()い」


「ありがとう御座(ござ)います、陛下(へいか)


「それはよせ。(まえ)のようにはいかねえがお(まえ)にそう()ばれるのはなんだか(いや)なんだ、だから(べつ)()(かた)にしてくれ」


「はい、()()()()


 ここでそう()ぶのは正直(しょうじき)どうなのだろうかと、疑問(ぎもん)になるだろう。

 (ほか)凶星十三星座(ゾディアック)(たち)部下(ぶか)は、冥竜(めいりゅう)(おう)陛下(へいか)()ぶ。

 なのにどうしてアリスに陛下(へいか)()ばれるのを(いや)がるのか不思議(ふしぎ)だ。


<アリス……>


何故(なぜ)? (わたし)にとって(あるじ)(さま)はカズヤ(さま)のみ。それとも(ちち)(おも)えば()いのかしら?」


 (おっと)のゴジュラスは注意(ちゅうい)したそうに()ぶが、(つま)アリスの気持(きも)ちは()からなくもない。

 しかし、その(こと)でゼストや(ほか)幹部(かんぶ)(たち)(おこ)られるのではないかと、内心(ないしん)ヒヤヒヤしながら(だま)っていると。


(おれ)()きなように()べって()ったんだ。その(こと)でアリスを非難(ひなん)するんじゃねえぞテメェら」


「「はっ!」」


 アリスとしては冥竜(めいりゅう)(おう)(ちち)同然(どうぜん)だと(おも)っている。

 (ゆえ)にそれを(かん)()っていたからこそ、冥竜(めいりゅう)(おう)陛下(へいか)()ばれたくなかったのかも()れない。


「さて、(かれ)らは兄者(あにじゃ)(あら)たな凶星十三星座(ゾディアック)のナンバーズとして(えら)んだ4(にん)だ。(なか)には(かれ)らがどれだけ(つよ)いのか()ってる(もの)もいると(おも)う。そこで……、(だれ)かその(こと)異議(いぎ)がある(もの)はいるだろうか? いるなら()ってその理由(りゆう)(もう)()ててみよ。どうだ?」


 部下達(ぶかたち)にゼストは()くが、(だれ)反論(はんろん)する(もの)などいない。


結構(けっこう)。ではこれより、儀式(ぎしき)()(おこ)う」


 するとメイド(ふく)魔族(まぞく)4(にん)(ちい)さな小瓶(こびん)()って()ると、それを朱莉(あかり)、ゴジュラス、ミルク、アリスへと(わた)して()がった。

 小瓶(こびん)()ってもその(おお)きさはコーヒー(かん)より(すこ)(ちい)さい(くらい)(もの)だ。


()づいていると(おも)うがそれは兄者(あにじゃ)()だ。だがただの()じゃない。たった一滴(いってき)一滴(いってき)(くに)1つを簡単(かんたん)(ほろ)ぼす(こと)出来(でき)(どく)だ。だがお前達(まえたち)()()()()()()()。ミルクは兄者(あにじゃ)()()んだ(こと)によって進化(しんか)し、朱莉(あかり)(いた)っては大量(たいりょう)()んでその(ちから)増幅(ぞうふく)させている。流石(さすが)はラスト・ヴァンパイアにしてヴァンパイア・クイーンと()ったところだ。ゴジュラスとアリスもまた、(ひそ)かに兄者(あにじゃ)から()(いただ)いて進化(しんか)した。だがこれから(おこな)われるのは(いま)までとは(わけ)(ちが)(こと)理解(りかい)してくれていると(おも)う。ーー これから(おこな)われるのは儀式(ぎしき)だ。お前達(まえたち)には()()()()()()()()。……(おそ)れるな、兄者(あにじゃ)(しん)じよ、さすればより強大(きょうだい)(ちから)()にし、(あら)たなナンバーズとして覚醒(かくせい)するだろう。さぁ、()みたまえ」


 ゼストの(はな)しが()わった(あと)小瓶(こびん)()()った4(にん)(ふた)()けて()んだ。

 変化(へんか)()ぐに(あらわ)れる。


<んグアァッ!>


「んっ……! ア゛ア゛ッ゛!」


 ゴジュラスとアリスはその()(くる)しみだし。

 ……そして()もなく絶命(ぜつめい)した。

 だが、()んだにもかかわらず。


「だらしないわね」


「まったくです」


 朱莉(あかり)とミルクは平然(へいぜん)とした(かお)()()()し、まだ()めると()いたげに微笑(ほほえ)んだ。


「ほほぅ? やはり朱莉(あかり)とミルクは平然(へいぜん)としていられるか」


「……まっ、当然(とうぜん)だな。おいゼスト」


「えぇ、承知(しょうち)しておりますとも」


 すると今度(こんど)凶星十三星座(ゾディアック)全員(ぜんいん)()(はい)った小瓶(こびん)(わた)され、全員(ぜんいん)今一度(いまいちど)()むよう指示(しじ)()された。


兄者(あにじゃ)(われ)らが(よわ)いと(なげ)いておられる。そこで今一度(いまいちど)(われ)らは兄者(あにじゃ)(ちから)でより、(つよ)くならねばならない。でなければ(われ)らは(しん)なる(てき)相対(あいたい)した(とき)、まともに(わた)(あえ)える(こと)など(かな)わぬからな」


「ゼスト、(わる)いこれが(おわ)わったら(すこ)出掛(でか)けて()る。それとだ。まだ完全(かんぜん)凶星十三星座(ゾディアック)とは()えねえんだからお前達(まえたち)(のこ)りのナンバーズを選定(せんてい)しておけ」


「かしこまりました。ですが兄者(あにじゃ)()きて(いただ)いてなんですが、出掛(でか)けても大丈夫(だいじょうぶ)なのですか? もしもの(こと)があれば」


()にするな。まっ、()になるならお(まえ)だけ()いてくれば()いさ」


承知(しょうち)(いた)しました。では、早々(そうそう)に()わらせるとしましょう」


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