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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第1章 終わりの始まり
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第31話 お前マジか


「ついたぞ。ここは冒険者ギルドだ」


 そこは冒険者ギルド。

 さっきスクロールや魔導書(グリモワール)を買った商会よりも大きく、立派な建造物だ。

 中に入ると豪華なシャンデリアは無かったものの、飲食を提供する場所もあり、屈強な冒険者が昼間から酒を飲んでは馬鹿騒ぎをしている。

 壁には色々なクエストが書かれた紙が貼られ、その前でも色々な冒険者達やハンター達が見ている。

 冒険者は分かるけど、冒険者とハンターの違いが分からないと俺が聞くと説明をしてくれた。


 まず、冒険者とはその名の通り、一つの場所に居座る事をせず、その時々によって旅をして生計を立て。日々、未知を求めて旅をしている。そしてダンジョンが見つかったと聞けば危険を承知で中に入って探索し、運が良ければ莫大な富を得る事もある。


 ハンターとはつまり狩人の事で。ハンターは冒険者とは違い、一つの場所を拠点にし、モンスターを討伐、又は捕獲をしたり採取などを専門にしている者達。要請があれば他の街や村に行く事もしばしばある。


 そんな説明をしていると、ここでもカズに気が付いた冒険者やハンターが騒めく。


「か、和也だ!」


「なにぃ?!」


「ひいぃぃぃぃ! ママ〜!」


「神よどうか哀れな私をお守り下さいませ」


「……散々な言われ様だな」


 余りの言われ様に俺はドン引きしていた。


「ちっ、俺がなにしたって言うんだよ」


 中にはカズの顔を見てその場で失禁し、気絶する人が出る程だ。


「いや、お前が何かしたからこんなに怯えてんだろ?」


 俺はカズをジト目で見ながらそうツッコんだ。


「あ? ざけんな。オイ、なんで俺の顔を見た途端皆んなして怯えるんだ、あ?」


「そ、そそそそそそそそそおぉぉぉ……」


 近くにいた悪そうな男をカズが胸ぐらを掴んで捕まえ、何故怯えるのか聞くと、男はそのまま気絶してしまった。


 本当に、なにしたんだ?


「ちっ!」


 そのまま容赦無く床に放り投げ、カズの怒りゲージがどんどん溜まるのが解る。


「おいぃ、誰か説明しろや、あ?」


 やばい!


 危険を察知した俺は、気絶していない男を捕まえるとにこやかな顔で質問した。


「なあなあ、なんでそんなにアイツに怯えてるか聞かせてくれよ」


「そ、それは……」


 内容はこうだ。以前、ここでカズが1人で食事している所に、女性冒険者がカズに声をかけようとしていたらしい。

 しかし、酒に酔った男達にその女性冒険者が絡まれるとしだいに口論となり、その場で数人の男達が女性冒険者を乱暴に捕まえ、身ぐるみを強引に引きちぎり、女性冒険者は半裸の状態になって泣き叫んだ。

 その瞬間、カズの逆鱗に触れてしまい、強烈なパンチや蹴りで顔面が変形するまで殴り続けたり、両手両足の骨を折ったりし、逃げようとすれば装備していたゼイラムを使って決して逃さなかった。

 結果、男達全員が再起不能寸前まで半殺しにされたらしい。


 うん。カズがブチギレるのも解らなくもない。


 勿論、話をした男は関係がなかった為に無事ではあったのだが、しばらくの間その日は地獄の様な時間が流れたそうだ。


「お前、結局暴れたんじゃねえかよ」


 俺はドン引きした顔でカズを見た。


「あ? そりゃ俺は悪く無いだろ? そんな酷いことする馬鹿が悪いんだろうが?」


「そりゃそうだけどよぉ」


 確かにカズの気持ちは分かるけど、やり過ぎなんだよ。


「ちなみにその時よ、その女性冒険者のパーティは怖くて何も出来ず、そのまま逃げていったんだぞ?」


「それはそれでヒデェ」


「んでその女性冒険者は男性恐怖症になりかけだった」


「あぁ、確かにそうなるかもなぁ、そんな酷い目にあったらよ」


「ちなみにその女性冒険者ってのがさっきのニアだ」


「どこのどいつだゴルァ! あんな可愛い子を泣かして恥ずかしい思いをさせた奴出てこいや!」


 (はずか)しめを受けたのがニアちゃんだと?! あんな可愛い子を泣かせるなんて許せねえー!!


「ん? そいつ等今はこの街の牢獄に入ってる」


「なんだそれなら良いんだ。騒いでゴメンな」


 んだよ、そいつら牢獄に幽閉されてるなら早く言えよ。


 俺は態度を180度変え、にこやかな顔で周りに謝った。


「だがそこで失禁して気絶してる奴はそいつらの仲間で、まだ手を出していなかってんでつい最近出て来たみたいだな」


「おいテメェ……、気絶してねえで起きやがれこのくされ(自主規制)が」


 その一味の1人がいる事を聞いて、俺は気絶している男の胸倉を掴むけど、そいつは全然目を覚まさない。


「ちょっとノリちゃん! やめなさいよ!」


 美羽に止められ、俺はしぶしぶだがやめた。


「しかし成る程な、そんな事があったからお前怖がられているのか」


 俺はどうしてそこまでカズが恐れられているのか理解してドン引きした。


「良い迷惑だ」


 いやそこまでする方もおかしいのでは? って、その場にいる全員がそう思ったと思う。


「しかしそうか、そんな事があったからあのニアちゃんはお前に惚れたのか」


「最初俺に話しかけて来ようとした理由は、あるアイテムの話を俺に聞く為だったらしい。その前に絡まれちまったんだけどよ」


「え? お前に惚れて話しかけて来たんじゃねえの?」


 カズを見た瞬間、周りにいた女性陣の豹変ぶりからしてそうなんじゃねえの?


 まさか最初はカズに惚れていなかったとは信じられなかった。


「違う。元々俺にはそこまで興味無かったそうだ」


「な、なんだと?!」


 まさかの興味無し?! 逆にレアじゃね?!


 俺はまるで雷に打たれたかの如き衝撃だった。


「まあそんな事があって俺が近くの宿を借りて、服やらなんやら用意してやったんだよ。その後俺が逃げてった仲間を見つけ出して、あの子の前まで引っ張って誤らせた。んで、傷付いていたあの子はそのパーティから脱退。暫く落ち着くまで俺が面倒を見てやってたら惚れられたんだよ」


 いや自分で惚れられたって言うなよ!


「そ、それで抱いた……のか?」


 俺は生唾を飲み込んで聞いた。


「あぁ、抱いた」


 ハッキリ言うなよ!


「そ、そうか、はは、ハハハハハハ」


 もう笑うしかねえよ……。


「なんでそこで笑うんだお前?」


「す、すまん。ちなみにニアちゃんっていくつなんだ? なんか俺達より歳下に見えるんだが……」


「あ? あの子は俺達の一個上、17歳だ」


 まさかの一個上。

 そうか……、逆に犯罪じゃなくてよかった……。

 よかったんだよな……?


「そ、それはそれでよかった……」


「冒険者やハンターってのは13歳からなれるんだが。冒険者やハンターになった以上は大人として周りから扱われる。変に気を遣ったら相手に失礼になるから気をつけろ」


「わ、わかった。でもまさか13歳からなれるもんなんだな。親とか反対しねえのかよ?」


「家が貧けりゃ反対しないだろうし。親がいなかったらそうでもしないと生きていけねえからな」


「……そうなのか」


 結構シビアなんだな。


「だから日本みてえな偏見はねえ訳だ。ここでは12歳で42のおっさんと結婚する話もあるくらいだ」


「な?! ガッツリ未成年なのにか?!」


 また雷が落ちた様な衝撃!


「だからここは日本とかと一緒にするなって言ってんだよ。俺はこっちからそんな歳の子を誘いやしねえが、たまあに誘ってくる子もいるからな。せめてもう少し成長してからにしてくれって逆に言うこともあるぞ」


「お前……。んじゃ、今お前と……その……、か、体の関係を持ってる子達は皆んな歳いくつなんだ?」


「なんで突然恥ずかしがって聞いてくるんだお前は。さっきまで普通に関係を聞いていたくせによ」


「だ、だってそりゃぁ……」


 逆に恥ずかしくなってとは言えない……。


「はぁ。下は14、上は21。今日知り合った子達はだいたい同年代と少し上ってところだな」


「1…4…」


 は? え? 日本だと中学二年生ですよね? 流石にそれは引く……。


「やっぱり皆んな可愛いのか?」


「あ? んなの当たり前だろうが」


「あっ、さいですか」


「んなことよりさっさと用事を済ませんぞ。ったく、不必要な時間を作りやがって」


 そう言いながらカズはギルドのカウンターに進む。

 そして思った。


 ここでも可愛い子がカズの担当なのかな……?


 でも、それは見事に打ち破られた。


「いよぉ、和也」


「うっす、"ウルガ"さん」


 ウルガ。

 歳は30代後半あたり。上半身裸で、筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)なマッスルボディーをこれ見よがしに見せるハゲたおっさんだった。


「今日は何しに来たんだ? また暴れに来たんじゃねえかとヒヤヒヤさせやがって」


 このウルガって人、ニコニコとしてるけどなんとなく内心では心配をしてるように見えるな。


「この間の件は悪かったよ。今日はコイツ等にステータスプレートを作ってやって欲しくて来た」


「ほう? さっきからお前さん達を見てたが、仲間って訳じゃなく友人ってとこだよな? んじゃまずは自己紹介と行こう、俺はウルガ、宜しくな!」


 俺達も自己紹介を済ませるとウルガさんに、こっちへ来いと言われ、後をついていく。

 ついて行った先には大きな水晶があり、そこに1人ずつ手を乗せて魔力をその水晶に込めろと言われて乗せた。

 先に俺が乗せて魔力を込めると、水晶は赤く光だした。


「うん、お前さんは火の属性に1番適正があるんだな。んじゃそのまま待ってろ」


 ウルガさんは何やら透明なカードを出して、水晶に乗せている手の上にカードを乗せる。


「そのままじっとしていろよ」


 するとカードが光だし、文字が刻まれていく。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 早瀬 憲明 16歳(男)

 種族名 ヒューマン

 Lv.15  ランクF

 体力100   魔力30 

 攻撃150  防御100

 耐性5    敏捷40

 運20

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「うん、見たところお前さんは後先考えず攻撃する戦士タイプってところか」


 確かに後先考えずに動くから何も言えねえ……。

 これからは気をつけないとな……。


 それから一人一人カードを作ってもらうと、俺達の中で美羽が凄かった。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 夜明 美羽 16歳(女)

 種族名 ヒューマン

 Lv.15   ランクF

 体力80 魔力250

 攻撃120 防御30

 耐性30  敏捷60  

 運80

 スキル

  魅了

 ユニークスキル

  未来視 歌姫 

 アルティメットスキル

  歌魔法

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「な、なんだこりゃ?!」


 美羽のカードを見たウルガさんは驚いた。

 勿論、俺達もだ。


「"未来視"ってお前、モンスターと戦ってる時、次にどう動くのか見えてんのか?」


 カズは冷静に美羽に質問した。


「うん、まぁ……、ほんの少し先までなんだけど。気のせいなのかなあって思ってたんだけど……ね」


 カズはそれを聞いてほんの少しだけど、ニヤッとした顔を見せる。

 それからもカズは美羽に質問を続けた。


「まぁ"魅了"は分かるさ。それはお前らも分かるだろ?」


 まぁ、分からなくもないな。

 美羽は歌手だし、世界中にファンがいるから。


 ふと、そこで思った。歌手だからあんなスキルを持っているのかと。


「問題はアルティメットスキルの"歌魔法"だな。いくらお前が向こうで歌姫(ディーヴァ)と呼ばれていてでも、そう簡単にアルティメットスキルは手に入らねえんだがな。つぅかユニークスキルに歌姫ってあるし……」


 カズは美羽のアルティメットスキル、"歌魔法"に興味が湧いた。


「それにしてもいきなりアルティメットスキル持ってる奴を見るのは久しぶりだな。和也、お前以来だぞ」


 ……なに?


「それはお前らも知ってるあのスキルだ」


 俺達の知ってるスキル? まさか……。


 カズが言うあのスキル。俺はそのスキルがなんなのかそれで直ぐにわかった。


「アレかよ……。"創造"」


「そうだ……」


 それで美羽達も納得した。本来あり得ない事を平気でやってのけるスキルだと聞かされているからな。

 カズはそのスキルでゼイラムやデュアル等を作り、ギルに"進化"スキルを与えている。


 けど……、他にもなんかとんでもないスキルを隠し持ってんじゃねえか?


「まっ、コイツは規格外の化け物だからな。気にすんな、ガアッハッハッハッハッ!」


 ウルガさんはカズを化け物呼ばわりして高笑いし、俺の肩をバシバシ叩く。カズはその言葉に対し「褒め言葉と受け取っておく」と言うとほんの少し微笑んだ。


 ……カズのカードを見てみたい。


 俺はそう思った。

 でも下手をすればぶちのめされる。だから俺はカズが断らない方法を考えに考え、実行に移す事にした。


「カズ、お前もステータスプレート持ってんだろ? 見せてくれよ」


 カズは秘密主義なところがある。俺はそんなカズがどれだけ強いのか気になり、思い切って頼んでみた。

 その言葉にカズはいかにも嫌そうな顔を見せて断るけど、俺はある秘策を思いついていた。


 それは……。


「カズ、お前が大勢の女性とそういう(みだ)らな関係を持っていると、あの人に言うぞ」


 その言葉は流石に効いた。

 カズは目を大きく見開き、明らかに動揺した顔になっている。


「ちぃっ! テメェ……! その手を使うのは今回だけだからな! 次同じ手で俺を脅しやがったら、分かってんだろうなぁ?!」


 や、ヤベェ……危うくカズの逆鱗すれすれだった……。


 カズは顔の血管が今にも破裂するんじゃないかと言うほど浮き上がり、左手を広げて指の骨を鳴らす。


 本当にヤバいとこだった……。


「わ、分かってる、もうしないと約束する。なっ、お前らもしないよな?」


 でも皆んなは驚愕した顔で俺に引いていた……。


「する訳ないじゃない……」


「俺達をお前と一緒にするな」


「憲明、僕は何も聞いてないことにするよ」


「ノリちゃん最低〜」


「お、お前ら……」


 皆んなの為に良かれと思ってした事が逆に非難された……。


「ちっ、見るならさっさと見ろ。あんまし見られたくねえスキルだらけなんだからよ!」


 そう言われ、俺達は和也のステータスプレートを見る。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  夜城 和也 15歳(男)

 種族名 ヒューマン

 Lv.128  ランクB

 体力1000  魔力1500

 攻撃1500  防御300

 耐性500   敏捷2800

  運220

 スキル

  体術 空体術 魔力操作 魔力探知 身体強化 韋駄天 立体機動 斬撃強化 回復薬調合 鑑定 料理人 毒無効 火薬操作 魔物探知 錬金術 武器錬金 影操作 剣術 銃術 

 ユニークスキル

  魔眼 心眼 空中歩行 空間支配 アイテム空間収納 合成魔法操作 身体変化 破壊者 影潜り 火属性完全耐性 氷属性完全耐性 魔獣合成 竜種の種 

 アルティメットスキル

  創造 変換 進化

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「な……なんだこれ……」


「おかしいでしょ……」


 俺と美羽はカズのスキルの多さに驚いた。


「レベルの割にランクがおかしくない〜?」


 沙耶はカズのレベルの割にランクが低い事がおかしいと言い、ウルガさんに視線を向ける。


「そ、それはまぁ、色々とあってだな……」


 ウルガさんは沙耶からの視線を避け、別に何も無い方へと顔を向ける。

 俺はこの時、ウルガさんとカズが何かを隠してると感じたけど、今はとりあえず黙ってることにした。


「お前ゼイラムとデュアルを創造で作ったって言ってたよな? なんだよ"武器錬金"とか"錬金術"って」


 一樹はカズが作った武器を"創造"だけでなく、"武器錬金"と"錬金術"も使って完成させたのではないかと考えている。


「なぁおい、カズ、お前最初の頃に比べてとんでもないスキルばかり手に入れてるじゃねえか……」


 でもウルガさんですら実はその異常性に驚いていた。


「お前アルティメットスキルなんてのはそう簡単に手に入れられるもんじゃねえぞ? なんだよ"変換"と"進化"って。それにユニークスキルの"魔眼"? "心眼"? 他のユニークスキルもなんだよこれ……。ましてやこりゃなんだ? "竜種の種"ってなんなんだお前……。流石の俺でも知ってるスキルはあるが半分近く聞いた事も見た事も無いスキルばかりだ……。お前、ベテランの冒険者やハンターでもこんなにスキルを持っちゃいねえぞ? はぁぁぁ……、化け物じみてると思ってたが、本当にお前は化け物だよ……」


 ウルガさんは頭を抱えながら呆れた。


「……だから見せたく無かったんだ。普通のスキルは努力すりゃ手に入れられるが、ユニークスキルとアルティメットスキルは誰にも教えたく無かったんだがな……」


 まるで石化光線を目から出してるのではないかと言う程、カズは俺を睨む。


 ……………………。


 俺は全身から冷や汗を流しながら硬直して動けない……。


「ス……スマン」


「後になって誤られてももう遅いんだよ。お前があんな事言って来なけりゃ誰にも知られずに済んだものをよぉ」


 はい……、おっしゃる通りです……。


 俺に対する圧が凄い……。俺以外の皆はその場からゆっくりと離れて行く。


 頼む、誰でもいいから助けてください……。


「は……はは……、まぁ落ち着こうぜ。なっ?」


 俺は引き攣った笑顔でカズを(なだ)めようと必死になる。


「それに……ほら、今回だけ見せてくれるって……約束だろ?」


「あぁ、約束は約束だ。だから手は出さねえ」


 よ、よかったぁ……。


 その言葉に安堵した。

 ……けど。


 「そうだぁ、お前ら全員明日からメニューを追加するの伝えるの忘れてたなぁ」


 カズが意地悪そうにそう言うと。皆、言葉を失い、一斉に俺を睨みつけた。


「ノ〜リ〜ちゃ〜ん〜?」


 美羽は笑顔なのに、その後ろに恐ろしい何かがいるのが目に見えた。


「み、美羽さん?」


 自分でも解る程、引き攣った笑顔で美羽の名を呼び、周りにいる皆の方へ視線を向ける。俺は助けてほしかったから視線を向けたんだ。

 でも他の連中はそっぽを向く。


「そ、そんな……」


 最早、誰も助けてくれるのはいなかった。


「ひぎゃあぁぁぁぁ!!」


 ギルド内だけでなく。俺の叫び声は外に大きく響いて轟いたんだとか……。


さあ今回は連続投稿をしてみました。

如何だったでしょうか? 面白かったでしょうか?

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