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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第9章 覚醒
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第250話 女子トーク?


 その日の夜イリスが俺の部屋に来ると、俺は緊張でガチガチになっていた。


「……憲明」


「ん、ん?」


「……俺の事、好きか?」


「な、なに今さら聞くんだよ、大好きだよ」


「うん……」


 えっと? と、とりあえずどうしたら良い? キスか? キスすりゃ良いのか?


 俺は勿論、イリスも緊張してるのがすぐ横にいるからわかる。

 2人してまずどうしたら良いのか解らない。

 スマホで調べようとしても、どう調べたら良いのか解らず。結局俺は「夜の心得」って変なもんを見つけてそれを見たら、中身は男と女の夜の営みに関する話で見た瞬間に思わず閉じた。


 クソっ、なにひよってんだ俺は?!


 すると俺よりも先にイリスが行動に出た。


「イリス?!」


「ゴメン憲明……、俺……、なんか今日は変だ……」


 そう言って俺にのし掛かり、ベッドの上でイリスは俺の首にキスをしたり舐めたりする。

 くすぐったいけど、それでスイッチが入った俺はイリスを抱き。お互いの唇を重ねてキスを何度も何度もした。 …………


 ~お互いがお互いを求め合い、憲明とイリスは服を脱いで体を重ねる。

 部屋には2人のパートナー達はいない。

 パートナー達は本能的に2人の邪魔をしないように、おとなしく和也のジャングル部屋にいる。~


「はぁ、好きだ憲明、大好き……」


「俺も大好きだよイリス……」


 ~2人のあられもない姿を見る者がいない事に2人は激しくお互いを求め合い、互いの体を舐め合い、触れ合い、激しく愛し合う。

 2人の愛の夜はこの変にしておくとしよう。~


 08:00


 ……目を覚ました俺は、横でスヤスヤと寝ているイリスの顔を見ているだけで幸せを感じていた。


「ん……、ん? ……おはよう」


「おはよう」


 朝の挨拶をすると、イリスが俺の首に両手を回して抱き付く。

 はっきり言って可愛すぎる。


「……まだ眠い」


「ははっ、んじゃもう少し寝てて良いよ」


「……でも勿体無い」


「ん?」


 するとイリスが俺に軽くキスをする。


「……シよ?」


「う、うす……」


「あ……」


 夜に続き朝から……、俺達はまた体を重ねた。


「あっ、ちゃんと付けないと」


「良いから、……来て」


「……うん」


 なんでこんな時のイリスはいつものイリスじゃなくなるんだ……。

 でも……、めちゃくちゃ可愛い。


「あ……ん……、そこ……良い!」


 ヤベェ、声が可愛すぎるって。


「あ?! んっ! んん! しゅき! だいしゅきい!」


 俺を求めてくれるイリスが可愛くて可愛くて、お互い上になったり下になったりしながら俺とイリスはお互い何度も昇天した。


「へへっ、はぁ、はぁ、憲明、……好き」


「俺も大好きだよイリス……」


 11:00


「なんだ? 今日は朝からやけに肌が艶々じゃねえか」


「あ、あはは……」


「それに比べて憲明。お前……、やけにゲッソリしてるな……、大丈夫かお前?」


「お……おう……」


 こ、腰が痛いっす。


「……おいおいイリスゥ、憲明を求めるのは良いが加減を考えろやぁ」


「「うっ……」」


 俺達にカズに、ナニがあったのかバレバレだった……。


「ったく、その様子じゃ朝もやってたな?」


「「くふっ……!」」


「はいはい、そう言わないの。私達だってそうなんだから」


 ……お前らもか。


 一応助け船のつもりなのか、美羽がそう言ってカズの後ろから手を回して抱き付く。

 周りには他の連中もいるけど、この話を聞いていたのは他に誰もいなくて幸いだ。


「イリス、後で聞かせてね~」


「え?! な、なんで?!」


「なんでって、アンタも私とカズのやりとりを聞いてくるじゃない」


「そ、そうだけど……」


 おいおいイリス、なに聞いてんだよお前……。


「まっ、俺は別に恥ずかしくないから話せるけどな」


「ちょっとカズ、一応私がいるんだから流石に駄目でしょ」


 いやいやいや、お前はイリスから聞こうとしてるじゃねえか。


「こういった話はね? 女子だけがするもんだよ?」


 いや意味わかんねえし。


「んだよ、夕べなんか新曲作ってたらいきなり脱ぎ出して騎乗位してきたくせして」


 なっ?!


「だって昨日はイライラしてたんだもん!」


「それはお前が悪いからだろ」


「良いじゃん電気を使ったって! それに私、それが悪い事だって知らなかったんだもん!」


「だからって夕べは激しすぎ。俺はお前らの新曲作ってるって言うのに来やがってよ。お陰で完成出来なかったじゃねえか」


「いいじゃん、カズならすぐ完成させちゃうじゃん」


「だからってお前5回戦は流石に疲れるって」


 5回もしたのかよ……。


 よく見るとカズもどこか疲れてるって顔してるし、若干ゲッソリしていた。


「で? で? で? やっぱ兄様(にいさま)のテクは良かったのか?」


「も~最高。なんだかんだ言ってカズも私を求めてくれるから嬉しくってさ~」


 こ、こらこら、いけませんそんな、こんな所でそんな女子トークをするんじゃない!


 そう思ってもなかなかそう言えない。

 理由はカズと美羽が、どんなセックスをしてるのか気になっちまうからだ。


「やっぱ兄様(にいさま)の舌テクも良いのかよ?」


「も~……、耐えられなくなる」


「わ~! わ~! んでんで?!」


「ノリちゃんいるからここから先は後でね」


「え~! 今教えてくれよ~!」


 き、気になる……。


 同時に2人がどんなセックスをしてるのか本当は想像したら駄目なんだろうけど、そんな話を聞くと自然と想像しちまう……。

 カズはカズでダルそうに煙草を吸いながらコーヒー飲んでるし。

 俺としてはなんかカオスな空間になりつつあった。


「だからね? 座ってる状態のカズに、何時も私が立ってそのままカズの顔に押し当てるの」


「ほ、ほうほう」


「もうね、その前からカズに舐めてほしく興奮してるからさ、アソコがもう濡れ濡れでさ」


 くっ……、そ、そこでやめてくれ。


「うわ~! うわ~! んでんで?!」


「……濡れたアソコをね? カズの舌先がこう、ツーっときてね? カズの頭を抑えるとカズは私の腰に手を回して抱いて、アソコにキスしたり優しく舐めてくれるの」


「うっわ、エッロ!」


 エロすぎる!


「でもねでもね? やっぱりそういった愛撫(あいぶ)って大切だと思うの。そうやってお互いキスし合ったり舐め合ったりして気持ちを高め、お互いに求め合う」


「み、美羽、その辺にした方が、その、俺的にいい気がする」


 俺は我慢できずに止めた。

 流石にヤバいだろ。世界的な歌姫とカズがそんなセックスしてるって話を聞くのはよ。

 すると。


<我もそう思うぞ美羽>


 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)が美羽の影から8本の首を伸ばして言ってくると、その顔はどこか暗い。


<我なんてずっと外にも出れず、お前が何をしてるのか意識を遮断(しゃだん)されて解っていない状態だ。しかしお前と本体が何をしてようが構わないが、お前は女なのだからそんなはしたないことを言うもんじゃないだろ>


 ……お父さんかな?


「だって大蛇(オロチ)には私とカズがセックスしてるところ見られたくないし。それに今はイリスと女子トークしてるんだから良いじゃん」


<いやそれでも少しは(ひか)えよ。周りに他の者が聞いていないのは良いが、あまり過激な事を言うな>


 なんか、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)が疲れてるって顔してるな……。

 きっと美羽の言動で疲れてるのかもしれないな……。


<だいたいなんだ、女ならもっとおしとやかな話をするもんじゃないのか?>


 た、確かにそうだよな……。


<やれあれが気持ち良かっただのと、よくそんな事をベラベラと言えるものだな>


 ですよねぇ……。


 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)が呆れた顔をするし、もうね、言ってることが俺にはよく分かるんすよ。

 でも話してるとついつい聞いてしまう……。


<良いか? 我は本体とお前がどれだけチチクリ合おうが一向に構わん。だが周りの目も気にしないでどうする?>


「別に良いじゃん、なにお爺ちゃん臭いこと言ってんのよ」


<き、貴様あ! 誰がお爺ちゃんだ誰が!>


 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)が正論を言ってるのに、そりゃねえぜ美羽……。

 なんか、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)が可哀想に思えてきた。


「そのへんにしとけ美羽。八岐大蛇(ヤマタノオロチ)は時と場所を選べって言いてえんだろ。別に話すなとは言わねえけど少しは八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の意見も聞いてやれ」


「……カズがそう言うならそうする。ゴメン、大蛇(オロチ)


<なんで本体の言うことなら聞くんだお前は……>


 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)不憫(ふびん)に思えてくる!

 今度、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の話を聞いてやるか……。


どうも皆さん、Yassieです!

次回は12月9日(月)、12:00に公開予定しております!

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