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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第8章 黒い太陽
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第225話 プロローグ


 稲垣さんの一件以来、東京と異世界ではなんの問題も無く日々が過ぎようとしていた。

 でも流石は日本の首都ってだけあって、稲垣さんの指示で破壊された東京の街が復興を初めて3ヶ月で、半分近くが元に戻りつつあるけど、まだまだ時間が掛かりそうだ。

 その3ヶ月が過ぎて6月半ば。

 もう少しで夏が来ようとしていた。



 6月19日 10:40


 ーー 東京 ーー


「だいぶ暑くなってきたな」


「まぁ、もう時期夏だしね」


「んで? 今日はどこ行くんだ?」


 この日は久し振りに、とある理由があって一樹とヤッさんの2人と街に出掛けていた。


「んで? どこまで行くんだよ?」


「もう少ししたらその店に着くって」


「でも何を買うの?」


 うん、それはもう決まってるんだよな。


 俺の中で何を買うかなんてもう決まっていて、それでもどんなのが良いか考えてると、目の前にある物があってそれに目が釘付けになっちまった。


「綺麗に写真撮れてるな」


「これ、お前的に部屋に飾りたいだろ」


「ん? ん~、そうだな」


 そこにあったのは、美羽とイリスのポスター。


 うん、鼻血が出そうなくらい可愛い。


「おまっ?! 鼻血出てるぞおいっ!」


 イリスが美羽と一緒に活動する事をテレビや雑誌、色んなメディアが注目して取り上げると、そのニュースは全世界に広がり、たった1日で「この子は誰だ?!」って大騒ぎに発展。

 するとカズが言ってた通り、夜城組の前に物凄い数のメディアが殺到してきたんだけど、それを組員さんや警察が対処する事態になりつつ、どうにか追い返すことが出来たけど。未だにパパラッチみたいに張り込んでる記者とかがいる。

 まぁ、夜城組が異世界から紛れ込んでくるモンスターを対処してきたってのもあるし、それを取り上げられてるから自然とイリスがここの関係者って事は即バレしてるし、色んな会社が探してたからな。


「あっ、そう言えばこの近くにカズがよく行くお店があったよね?」


 はい、そこが目的地なんですよヤッさん。


「いやいやいや! 鼻血を止めろって!」


「ん? おわっ?! マジか?! クソッ、早く言ってくれよ!」


「早く言ってたろうが!」


 まあ取りあえず俺は鼻血を拭いてから目的の場所、カズ行き付けのシルバーアクセサリーを取り扱うショップに到着すると中に入った。


「お前の目的ってここだったのか」


「そっ、ここだ」


 そして更に俺の目的の物は。ーー



 12:10


 ーー 夜城邸 ーー


「イリス」


「ん?」


「こ、これ……、受け取ってくれ」


 女性にそれを渡すのは初めてだから、異様に緊張しながら俺はイリスに指輪をプレゼントしたんだ。


「今日……、一応()()()()()()()()?」


「え? あっ、……うん」


 6月19日はイリスが初めてカズが家族として迎え入れた日だったんだ。

 生まれた日が何時なのかなんてそれは解らない。だけどその日をカズはイリスの誕生日にしてやろうって言っていたのを俺は覚えていた。


 でもあの事件からもう1年になるのか。


 あの事件って言うのは俺達が初めて"タイラント・ワーム変異種"ってモンスターを目にする事になった事件だ。


「でも……、い、良いのか?」


「あ、当たり前だろ? お前の為に買ってきたんだから。……気に、いらなかったか?」


 するとイリスは顔を真っ赤にしながらはにかんだ笑顔を見せてくれた。


「せ、せっかくだからお前に付けさせてやるよ」


「ははっ、はいはい、では付けさせて頂きますね~」


 何気なくその場で片膝を付いて俺がイリスの指に指輪をはめようとすると、イリスは左手の薬指をだけ伸ばすから俺は流れで薬指に指輪をはめた。


 うん、サイズはピッタしだな、流石俺。


 でもそれがいけなかった……。


「お前……、分かってて薬指にはめたのか?」


「ん?」


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