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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第5章 崩壊する日常
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第158話 学園祭最終1


 3日目


 初日はカズ、2日はゴジュラスだったけど、3日目には対戦プログラムは無くて。スケジュールを見たらほぼふれあい時間だけになっていた。

 連日メディアでは俺達の事を報道してるし。カズとゴジュラスなんか大きく取り上げられていた。


 [凶悪無慈悲!] [圧倒的実力!] [神か悪魔か?!]


 なんて新聞や雑誌は書いて出してるし。

 夜城組に、テレビ出演のオファーまで来てるとかで、組員の人達がぐったりしてたし。

 俺達もそうだけど、カズと美羽は出るのもめんどくさいから嫌だって断っていた。

 昼のワイドショーなんかでも、なんか好き勝手なこと言ってるし。聞いててムカついてくる。

 でもそれが、カズが言ってた事でもあるんだなって思うと。確かに大変な事態になったし、申し訳なかった。


「ねえ、早瀬君」


「ん?」


 呼ばれたから振り向くと。そこに、佐渡が友達(ダチ)2人を連れて来ていた。


「佐渡じゃん、どうした?」


「その……、山本君……は?」


「……」


 ん? ヤッさんを探してる? しかも、なんか顔真っ赤だし……。あれ? これって……やっぱり……。


「告白?」


「ちがっ! そ、そんなんじゃ……ないし……」


 あんれ~? なんでコイツ、こんなにモジモジし始めちゃってんの~? やっぱそうなんじゃね?


「はぁ……、ヤッさんなら今、チビッ子共とトッカーが遊んでるからそれ見てる筈だぜ? だからチビッ子共が集まってる所に行けば会えるかもな」


 まっ、ヤッさんには先越されちまったけど。頑張って欲しいもんだ。


「あ、ありがとう」


「まっ、告白も頑張れよ?」


「うっ!」


 いくら隠しても無駄ってもんだ。そのくらい俺にでも分かる。


「それにしても、早瀬君のパートナーって、皆カッコいいよね」


「おっ、だっろ~?」


 佐渡にそう言われて、俺は嬉しくなって説明をした。クロとの出会い。カノンとソラとどうやって出会ったのか。ノワールをどうやって迎えられたのかを。

 最後、ノワールの事を話したらゴジュラス戦を見てたのか、顔が真っ青になりながら「それって本当に奇跡じゃん」って言われちまった。

 うん、自分でもそう思います!


「でも凄いなぁ。私も()()()()()()()()、山本君みたいにモンスターをテイムしたいな……」


「テイムしたいなら、ヤッさんのトッカーと相性が良いモンスターをテイムして、ヤッさんとコンビを組んでも面白いじゃん」


「でも、その前に山本君に迷惑かけないようにしなきゃ」


「アイツがそんなこと気にすると思うか? たぶん、アイツなら満面の笑顔で良いよって言うぞきっと」


「だと、いいんだけどな」


 お気づきだろうか。こんなあからさまな事を話しているのに、佐渡は全然気がついていない。

 それよりもどうしたらヤッさんが喜んでくれるのかって考えてるに違いない。

 後ろにいる佐渡の友達(ダチ)2人も、ニヤニヤしてるし。


 そんな顔されたら俺までニヤついちまうからやめてくださいよも~。


 ニヤニヤが止まらない。それに全然気がついてねえし。


「ねえ、山本君のトッカーと相性がいいモンスターってなに?」


「ん~そうだな~……」


「土属性のトッカーと相性が良いって言うなら。この会場にいる、植物系モンスターの"ウッドエント"とかだな」


 そこに、美羽を連れてカズが現れた。


「や、夜城君」


「おぉカズ、そっちはもう良いのかよ?」


「後はゴジュラスに任せて抜けてきた」


 酷い奴……。


「あの、ウッドエントって、木、みたいなモンスター?」


「あぁ、なんならさっき言ってた選抜枠の件。俺がなんとかしてやっても良いぞ?」


「え?! ほんと?!」


 ん? 選抜? そういやさっきんなこと言ってたような?


「でも……、いいの? もしかしたら適性無いかも知れないのに……」


「ダイジョブダイジョブ、私達なんてそんなの関係無しに異世界に行って、カズのお陰でこうしてモンスターをテイム出来るようになったんだし」


 美羽が満面の笑顔でそう教えると、佐渡は希望が見えてきたのか、嬉しそうな顔になった。


「お(かみ)の連中には俺のほうから適当に話をつけてやるよ。後は、お前の気持ち次第だ」


「うん!」


「午後になったらその説明会もしなきゃなんねえから、お前も参加して話を聞きに来い。んじゃな」


「ん? どこ行くんだ?」


「あ? んなもん決まってんだろ。今日は学園祭最終日。美羽と一緒に廻ってこないでどうすんだよ?」


 あっ、なるほど、デートっすか。


「わかった。でもメディアとかいるから気を付けろよ?」


「お前に言われなくてもわかってんよ」


 そう話してカズと美羽は遊びに行った。


「まっ、とりあえずヤッさんの所に行ってこいよ。んで、早くアイツに告白しちまえ」


「うん! ……ってちょっと?!」


「はははっ!」


 それで佐渡達はヤッさんの所に行って。俺はクロ達と集まってる人達と話をし始めた。

 すると。


「ごめんノリちゃん! これ渡すの忘れてた!」


 美羽が走って戻ってきて、俺に羊皮紙を渡すとカズの所にまた走って行った。


 なんだろ?


 開いてみると、そこにはノワールのステータス情報が書かれていた。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前 ノワール 性別 ((オス)

 種族、メトゥスラプトル

 Lv. 10   ランクC

 体力100   魔力30

 攻撃60   防御30

 耐性10   敏捷100

 運50

 スキル

  感覚強化 熱感知 瞬足 隠密 探索 危険察知 伸爪 砂粒操作 闇魔法 炎魔法

 ユニークスキル 

  殺戮者 闘争本能

 アルティメットスキル

  進化

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 お前も"進化"持ってるんか~い! しかもなんだよこのスキル! "殺戮者"?! はあ?!

 ……親のゴジュラスとアリスの血を引き継いでるから、まぁ、分からなくもないスキルはあるけどよ……。

 それに"瞬足"? 確かアリス達は"韋駄天"だったと思うけど、どう違うんだ? それと闇と炎のスキルまであるし。たぶん、カズと俺が魔力を与えたからついたのか?

 まっ、それにしても十分だ。これからの成長を考えたら、もっと強くなるぞコイツ。


<シュルルルルルルルッ……>



 13:00 説明会



 午後になると、会場に政府関係者の人達が数人やって来て説明会が始まった。


「選抜に関しましては記者会見でも御話ししました通り、日本だけじゃなく、全世界で行われます。その一例と致しまして本日。只今より3()()()()()()()()()()()()


 ってことは、早速3人が俺達と一緒に異世界の学園都市に行くことになるのか。


「まずこれも先に御伝えしました通り。選抜は希望する方のなかから選ばせて頂いたこと。そして、その決定権を持っているのは我々とそこにおられる夜城和也さんとなります」


 あんれ~? お前いつの間に?


「では夜城さんからも御願いします」


 紹介されてカズがマイクの前に行くと、今まで抑えていた魔力とか殺気を軽く解き放った。


「まず先に言っておく。今、俺は誰でも見えるくらいの魔力オーラと殺気を解放してる。魔力の色は属性によって異なる。俺が率いるチーム"夜空"のメンバー、早瀬憲明なら炎属性。夜明美羽なら闇と雷の2属性と様々だ。ちなみに俺は闇と無だ」


 その他にも色々と属性があるけど。カズはその後。異世界に行けばそう言った適性を持った魔法が使えるようになるって話て、その分、それだけの危険性も秘めていることも伝えた。

 だって普通に危険なモンスターがいるんだし。


「そして今回、どうしてこの場で3人を決めようと思ったのかも御伝えします。現在。私は向こうの商人からモンスターを数体買ってきて連れてきております。"ウッドエント"、"ペルトフログ"、"コマンドウルフ"、"ディラルボア"と言った、それぞれのランクがEからDランクのモンスターです。まぁ、私であれば瞬時に倒せるレベルです」


 でしょうね。なんなら俺達でも勝てる。


「本日、この場に集まってもらった人の中に。政府と私で選んだ10人がおります」


 なんですと? 随分と早いな。でもちょっとまて、……10人?


「その10名に私が用意したモンスターを、テイムしてもらいます」


 まてまてまて! 早すぎじゃねえのかよ?!


「名前を呼ばれた者は前に。ここに……、魔結晶と呼ばれる魔力の結晶があります。それを砕き、魔力を手に入れてからテイムをしてもらうのですが、一つ、注意点があります。それは、魔力を手に入れたからと言って、魔法や身体的強化等は無いと言うことです」


 ま、まぁ、確かにそうだけど……。


 それは俺達全員が一番よく解ってるし。知らない人にしてみれば不安になるだろうしな。


「ですので。まず手始めに日本で行うのですからそれだけのレベルじゃないと私が嫌だって言うのが本音です」


 そう聞いて、政府の人達が苦笑いを浮かべていた。


 すんません、ほんとすんせん政府の方々……。


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