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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第4章 炎と結晶
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第116話 プロローグ


 全ての始まりは今から数千万年前に遡さかのぼる。


 それは生きとし生けるもの全ての頂点に君臨する絶対的なる王が存在していた時代。


 王にとって、絶対に許す事が出来ぬ者をその手で殺めても、その怒りを鎮める事が無く、全てを憎み、破壊する道を選んだ。


 そんな王に忠誠を誓い、どんな事があっても裏切らず。王の為であるならばと、喜んでその命を捧げる最強の魔王達が仕えていた。


 世界はそんな王に恐怖し。誰もが挑んでも圧倒的なまでの力の前では全てが無意味だった。


 だが、そんな王を止めるべく、2人の王が立ち上がる。


 そして2人の呼び声に応じた様々な種族が一丸となり、最後の戦いに挑んだ。


 1人の王は言った。


「もうやめよう。これ以上の哀しみを増やすな」


 だが、頂点に座する王はそれを拒む。


「お前達に何が分かる?」


 そこでもう1人の王が言った。


「お前の気持ちは我らにも痛い程よく分かる。我らもまた、お前と同じ様に怒り狂い、哀しんだ」


「ならばなぜ、我に手を貸さなかった? 我は彼奴等(きゃつら)の罠にハマり、力を取り戻すまでにどれだけの時間を要し、泥水を(すす)って生き、生き恥を晒したか分かっているのか?」


 そう言われ、2人の王は何も言い返す言葉が見つからない。


「貴様らが何をしていたか、我が何も知らないとでも思ったか? この裏切り者共が」


 そう言って睨むと、2人の王は気圧されてしまう。

 しかし、その睨みは軽く睨んだだけであり、それだけで多くの兵士達が次々と倒れ、死んでいく。


「すまないと思っている……。しかし、我らも下手に動く事が出来なかったのだ。どうか分かってほしい……」


「ほざくな。 我は愛する者を奪われ、生まれた世界を乗っ取られたのだぞ?」


「だが友よ!」


「言い訳など要らぬ……。我はこの世界を彼奴等(きゃつら)から取り戻した。だがそれだけでは足りぬ」


「だからと言ってあらゆる世界に干渉し、恐怖で支配する事は間違っているでは無いか!」


 もう1人の王が反論するが、その言葉に対して鼻で笑われると逆に反論されてしまう。


「では言わせてもらうが、彼奴等(きゃつら)は間違っていないとでも言うつもりか? 彼奴等(きゃつら)は我々の世界に干渉し、我らに代わって世界を支配しようとしている。 我らの世界だぞ? 彼奴等(きゃつら)が何をして我らの世界に干渉して来たか知らないとでも言うつもりか? このままでは逆に世界は乗っ取られ。再び過ちを犯す事が目に見えている。 で、あるならば、我が代わりに支配し、あらゆる世界を我が管理しよう。さすれば我らの世界が長生きする事が出来よう」


「それでは破壊する必要がどこにあると言うのだ!」


彼奴等(きゃつら)に一度 毒された世界を再生する為に一度 滅ぼす必要があるからだ。今のままではいずれ世界そのものが滅び、何も住めぬ世界になる。そうならない為にも、世界をあるべき姿に戻す為、我は一度 滅ぼすのだ」


「本当にそうだろうか? そうしなくても世界は元通りになるのでは無いのか? ……それは単なる口実なのではないのか?」


「黙れよ? 我は死と再生を与えし者ぞ? 我の力を知っておきながら我が単なる戯言(ざれごと)を口にしているとでも思ったか? それは違う、断じて違うぞ?」


「ならば何故 支配しようとする?!」


「分かりきった事を言わせるなよ? 貴様らが不甲斐無いせいではないか。貴様らに任せたとしても、世界は破滅するからではないか」


「未来がどうなるか解らぬでは無いか!」


「解るさ。今の貴様らを見ればな?」


 どうにか戦う事なく、説得することでなんとか平和的な解決をしようと試みてもらちが開かない。


 そして結果的にその後。全面衝突する事になるが、今はまだそれがどんな戦いだったのか、語らないでおこう。


 しかし、恐怖を振り撒く王は最終的には永久封印される事で平和が訪れる。


 その恐怖の王は最後にこう言葉を残した。


「我を封じたところで何も変わりはしない。我は既に手を打ってある。万が一、こうなった時の為のな。 我は既に我が分身を解き放った。いずれ我が分身が目を覚まし、貴様らに地獄を見せるだろう。覚えているがいい、時が満ちた時、我は必ずや戻る。クククッ……、クハハハハハハハハハハ!!」


 恐怖の王が残した言葉はその後、現実のものとなる。


 それから時は流れ。とある国にて王の分身が猛威を振るう事になったからだ。


 王の名は絶竜王・アルガドゥクス。


 冥竜王と呼ばれ、生きとし生けるもの全ての頂点であり、絶対的支配者として君臨する四大冥王の1人。


 そして分身の名は…………。


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