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幼馴染みのポジションから逃げます  作者: ぶるもあきら
5/15

マルっと丸投げされまして


んー

とりあえずやってみるか


息子さんのおでこに軽くふれながら、

解熱剤…解熱剤…


腫れたほっぺに触れて

痛み止めと、あ…冷却…冷却


最後に全身に向けて

ムンプスウィルス消えろぉぉー



するとまあどうでしょう!

可愛いおメメをパチっと開けて



「うぁ!苦しいのも痛いのも無くなったぁー!」



そんな息子の姿に喜び抱きつくクロード様


うん、うまくいったのかな?


隣のベットに横になる奥様にも同様に癒すと、息子さんそっくりの目をパチっとな


おおー!こちらも大成功ね。

良かった良かった



「アン…君は癒し手だと聞いているが?」



奥様と息子さんの姿を見て、クロード様が今度は困惑顔で話しかけてくる


そうです

ただの癒し手ですが?


あれ?

もしかして完治させちゃったかな?

普段は一箇所しか癒さないけど三重にかけたからなー



「ち、ちょっと他の癒し手さんより力が強いみたいで…」



と、誤魔化しては見たけど前世の記憶があるなんて信じられないだろうしバレる事はないっしょ



「ああ、だからエラーズ男爵に狙われたのか…」



と、なにやら納得してくれた様子


てかあのエロ男爵、エラーズって言うのね


今更ながらどうでも良い情報をゲットしたのだった



あらためて、クロード様と奥様のライナ様、可愛い息子さんはケビン君とご挨拶ができてほっとする

クロード様とライナ様には散々お礼を言われ、体調を気遣われた


そして休んで回復したら今度は領民を癒して欲しいとお願いされた


回復?なにが??



普通、属性の力が使えるのは限度があるそうだ

勇者や賢者、聖女といったスーパーレアな人達は別らしいが、それでも使いこなすために何年も修行すると言う


でも私のようなレア程度では強すぎる力を使いすぎると反動で自分が倒れちゃうんだって


ちなみにトラビス領にいる癒し手さんはベテランさんで1日5人が限界、続きは一晩休んで次の日になるらしい


まだ癒し手歴1年の新人が既に2人完璧に癒したから、もうそろ限界だろうと見込んだ話だった



いや、でも村では1日10人以上癒やしてたよ?

神殿の行き帰りであった人や家に着いたらお父さんお母さんも栄養ドリンク程度に癒やして歩いてたし

それでもその限界とやらを感じた事ないけどな…


極端に力の効果が薄れていって全身に倦怠感が出たらもう限界

それ以上はやっちゃダメだと言われたが、倦怠感?


うーーん…ないーかなぁ?



その事実を告げると顎が外れるぞってくらい驚かれたけど、それなら早い内にって事で発症した領民を隔離している場所まで連れて行ってもらう事にした


おたふく、前世ではもうやったけどアンはどうなんだ?

精神と肉体は別物だからまだなのか?


一応スカーフはそのままで、まだ発症してないって言うクロード様にもスカーフを巻く様にお願いしてトラビス邸を出る


スカーフを巻く事を不思議がるクロード様に



「この疫病は鼻や口から体内に入って感染するんですよ。まあ大体のウィルスはそうですが」



と、説明した

前世では常識の知識なのにエラく感心されてちょっと居た堪れないわ…



そして到着した病人の集まる場所は、ちょっとした地獄絵図だった


隔離が目的なのだから当たり前なのかもしれないが閉め切った部屋はなんだか空気も澱んで見える


いかんいかん、こんな所にいたら秒で感染しそう


と部屋中の窓を開けて換気、換気!



「アン!そんな事したら病魔が!!」



と、焦るクロード様に



「どうせ私が癒やしますので大丈夫ですよ」



と、言い返せば何も言えまい!


紹介してもらったお医者様も病人と見違えるくらいヘロヘロだし、癒し手さんは腰の曲がったおばあちゃんだった


はいはい、まずは戦力補強ね

2人をササッと癒すと、



「お嬢ちゃん、凄い力だねー」 



と、おばあちゃんがニヤリと笑う

同じ癒し手同士だし、何かわかるのかしら?


さて、やりますかぁー!!


部屋に居るのは重病な人ばかりザッと30人くらい?


これでも比較的軽い人やおばあちゃんに癒やしてもらって改善した人は各自家で隔離しているそうだ


気合いを入れて端から次々と癒して回る


ちょっと疲れたなーと感じれば自分を癒してって…ん?


この疲れたなーは限界なのか?

でも自分で癒せば元通りだし?

わからんなー


ちょっと聞いてみようかとおばあちゃんを探すと、んん?ちゃっかり座ってお茶飲んでるよ?



「あたしゃもう今日の分は終わったよ!お嬢ちゃん後はよろしくー」



ふあっっ!

まさかの丸投げですかーー!!





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