ご褒美をもらうことになりまして
そ、そんなつもりは無かったのにー!!
無事に帝都のムンプスも鎮静化させた私達3人はこれにてお役御免かと思われたのだが…
「褒美を出すから皇帝に謁見しろってよ」
は?…はあー?
皇帝に謁見ー?
褒美などいらんいらん!
ただ私を帰してくれー!帝都から出せー!
それが1番の褒美だー!!
何を貰おうか楽しそうに2人で話す兄弟とは対称的に私は1人ジタバタしていた。
謁見って事は皇帝の住む城に来いって事でしょ?
城は当然、帝都の中心部にあるわよね?
断りたい…断固拒否したい…
「ね、ねぇ…2人で行ってきなよ」
私からの再びの提案に
「またかよー?3人って言われてるだろ?」
「1番の功績者はアンなんだから行かなきゃダメでしょうね」
ううっ…
手は出さない。
透明人間になるって決めてたのに…
全力で癒しまくっていた自分を殴りたい。
だがしかし、ここでエリックがNICEな情報を持っていた
「そういえば勇者パーティーは解散になったらしいなー」
帝都での全ての日程を終えた彼、彼女らはパーティーの解散とともに自由になり日常の生活に戻ったらしい。
え?て、事は?
「アン、残念ながらロディオは飛ぶように手紙の彼女が住む村に帰ったらしいぞ」
な、なんと!
ロディオはもう村に向かったのか!
それなら別に私が帝都にいても、皇帝にご褒美もらっても問題ないじゃないのー
ロディオが村から出るまでそのままトラビス領で避難させてもらえば完璧!
ロディオと聖女のラブラブを見ないで済む、つまり可哀想な捨てられ幼馴染みポジションは回避できたんじゃなかろうか?
「エリック、勇者さんの村に聖女さんも一緒に行ったの?」
何気なく聞いてみると
「え?なんで知ってるの!?」
との返事、
ほーらねやっぱり物語の大筋は変わらないのよ
そうと決まれば、いざ皇帝に謁見よー!
急にノリノリになる私に戸惑いを隠せないウェルとエリックだったけど、スキップする私に置いていかれないように慌てて追いかけてくる。
「て、言うかフローラがロディオの事を勝手に追いかけて行ったって聞いたけど、なんでアンが知ってるんだ?」
とつぶやくエリックの声は鼻歌を歌っている私には聴こえていなかったのだった。
いよいよ、皇帝との謁見に挑む時間になった。
ウェルとエリック兄弟も新興貴族とは言えキチンとした正装を着こなし、私も一応名前だけは子爵令嬢なので見た事もない立派なドレスをクロードお兄様が用意してくれた。
どうでもいいけど皇帝の前で作法とかルールとか何も知らないけど大丈夫なのかね?
無礼者!とか言っていきなり首斬られたりしない?
この2人は呑気な顔してるけど知ってるのかしら?
などと心配していたが、謁見前にちゃんとレクチャーしてくれた。
覚えていられるか自信がないから早く終わらせてしまいたくて逆に焦るわ…
そんなこんなで、レクチャーを受けた事ですっかり緊張している私達3人は言葉もなくロボットのようにギクシャク歩いて謁見の間にたどり着いた。
が、しかし
私…はじめはロディオの事ばかり心配してて、その後は作法の心配
肝心なご褒美を何にするかまったく考えてなかったのよねー
「アン・トラビス子爵令嬢、この度のそなたの働きに感謝する、褒章の希望はなんだ?」
と、威厳のある声で皇帝に聞かれてはじめて気がついた。
困ったー!!
どうするどうする?
正直言えばお金がいいけどそんな事言っていいのか?
いや多分ダメよね、だいたいいくらくれって言えばいいのよー見当もつかないわ
「なんだ?そちは欲しいものは無いのか?」
とうとう痺れを切らした皇帝に催促され出したよー
無いならやらんぞって言うのか!
「んー、それならばどうだ?余の息子の婚約者にでもなるか?」
余の息子?
皇帝の息子は皇子?
で、その婚約者?
いやいやいやとんでもない事言い出したよここおっちゃん!
一応子爵令嬢だけど元は平民よ平民!
無理無理無理
なぜかウェルとエリックも慌ててるし、
帝国は実力主義だから私なら子爵位でも構わないとか言い出すし、
パニクった私は思わず頭を下げて叫んでいた
「き、金貨が欲しいです!!」|




